ドーパミンが不足すると

ドーパミンが不足すると、ドーパミンによって保たれてきた、物事への関心や意欲などが薄れやすくなり、何事にも無関心で無気力、鬱っぽい症状が現れやすくなります。特に、現代社会に満ち溢れる『ストレス』はドーパミン不足になる大きな要因です。

ドーパミンが不足する原因

ストレス
ドーパミンの持つ物事への関心や意欲といった働きは、『ストレスを打ち消す作用』を持っています。しかし、そのストレスを打ち消す作用は、ドーパミンを消費し続けることで発揮されるため、現代社会のように、どこにでもストレスが溢れた環境は、常にドーパミンが消費され続けているのです。

事実、物事へ強い関心があっても、それを上回る嫌なことや大きなショックがあれば、いつの間にか関心が薄れてしまうものです。そして、ドーパミンは無限に体の内側から溢れ出てくるものではなく、消費され続ければいつかは材料が尽きて、枯渇してしまうのです。

食事
ドーパミンの材料は、食事によって体内に吸収される、フェニルアラニンという必須アミノ酸です。フェニルアラニンがチロシンへと変換され、それが「L-ドーパ」となり、さらにドーパミンとなります。フェニルアラニンやチロシンは、食品のたんぱく質に含まれているアミノ酸で、普通にバランスよく食事をしていれば不足することはありませんが、巷に蔓延るダイエットや過度の偏食などによって、栄養バランスに偏りが生じると、不足する可能性があります。

腸内環境
人の腸には、何億何兆という腸内細菌が生息しています。腸内細菌は、ドーパミンの前駆体であるL-ドーパの合成や、ドーパミンと同じく重要な神経伝達物質である、セロトニンの前駆体である5-HTPの合成をしてくれます。つまりドーパミンの生成にも腸内細菌の働きは欠かせません。ところが、腸内環境が悪化すると、こうした腸内細菌が減少してしまい、ドーパミンの前駆体が十分に合成されなくなくなってしまうため、ドーパミンの生成も滞ってしまうことがあります。

生活習慣
ドーパミンに限らず、体内で働くホルモンや神経伝達物質は、規則正しい生活習慣によって、適切に分泌され、適切に利用されます。規則正しい生活習慣とは、『早寝早起き』『日中に適度の運動』『バランス良い食事』、など極ありふれたものですが、こうした当たり前の生活習慣を送ることさえままならないのが、現代社会でもあります。乱れた生活習慣を続けると、自律神経の働きを乱し、ドーパミンが分泌するべき時に分泌しにくい体質になってしまいます。また、乱れた生活習慣は、腸内環境を悪化させる要因でもあります。

加齢
加齢により、脳内のドーパミンニューロン(脳内のドーパミンを生み出す神経細胞)が死んで減っていくことが明らかになっています。これまでの研究では20歳をピークとして、その後10歳毎におよそ10%程度減少していくとされています。加齢により年々ドーパミンが減っていくことが、高齢になるにつれパーキンソン病の発症割合が増えることに関係していると考えられています。

ドーパミンが不足したときの症状

ドーパミン不足の主な症状
抑うつ症状/意欲の減退/モチベーションの喪失/無気力・無関心/引きこもり/学習能力の低下/記憶力の低下/集中力の低下/行動力の低下/運動能力の低下/疲労を感じやすくなる/過眠/ストレスに弱くなる/依存症になりやすくなる

また、ドーパミンの不足は、ドーパミンから作られるノルアドレナリンアドレナリンなどの不足にも繋がります。ノルアドレナリンやアドレナリンは交感神経系を刺激する作用があるため、不足すると交感神経系の興奮を保つことが出来ず、自律神経系のバランスが崩れて、自律神経失調症うつ病などを起こす原因となります。

ドーパミン不足とうつ病

ドーパミンやセロトニン、ノルアドレナリンなどの神経伝達物質は、うつ病と深く関わりがあると考えられています。うつ病は、物事への意欲や興味を失わせ、逆に不安や緊張、恐怖などを強く感じさせます。これは、ドーパミンなどの神経伝達物質の働きが抑制されているためであると考えられています。

また、ドーパミン、セロトニン、ノルアドレナリンは三大神経伝達物質と呼ばれることもあり、相互に密接に作用しあう関係があり、いずれかの物質が過剰または不足になると、残りの物質もその影響を受けやすい間柄です。

特に、これらの物質はいずれも食事で得る食物の栄養素によって原料を補給しているため、食事の不足、腸内環境の悪化、ストレス、睡眠不足など、何らかの理由で原料の供給が滞ると、いずれも分泌が減少してしまう可能性があります。また、ドーパミンなどの分泌が減少するような生活習慣そのもの(ストレス過多など)が、うつ病や不眠症などを引き起こすということもわかってきています。

つまり、現代のようなストレスが満ち溢れた社会では、いつでも、誰でもうつ病を発症してもおかしくなく、日頃からドーパミンが不足しないように注意する必要があるのです。

★次のページでは『ドーパミンを増やす方法』をご紹介します。



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