ドーパミンには、ドーパミンが出る直前に行っていた行動を強化する(学習して覚える、上達させる、効率化させるなど)効果があります。これはドーパミンの『強化学習』と言われる学習効果です。

強化学習のサイクル

算数の問題を解いてドーパミンが出ると、算数の問題を解くと言う行為が強化されて、どうすれば上手く問題を解くことができるか、どうすればもっと早く問題を解けるようになるかを自分で考えられるようになり、その結果、算数の問題を解く力が強化され続けて、算数が得意科目になります。

こうして、強化学習をサイクル化することができれば、最初は不得意な科目や苦手な食べ物でも、次第に克服できるといいます。

ドーパミンの強化学習をサイクル化するには

もし、自分の子どもの苦手な科目を克服させたいなら、手っ取り早い方法は、子供を「褒めること」です。 人は褒められることでドーパミンが放出されて快感を感じるので、また褒められたい→また勉強しよう、と言うサイクルが生まれるです。

苦手な科目を克服するには、その科目について、はじめはどんなに小さなことでも子供が達成したら、まず褒めることです。それを繰り返すことで、強化学習のサイクルが生まれて、いずれ苦手意識を克服できるといいます。

ただし、いつも褒めてばかりでは、脳が慣れてしまうので、ダメなことはしっかり叱る事も必要です。飴と鞭ではないですが、褒めるべき時は褒めて、叱るべき時は叱る。そうすることで、より学習効果は増すと言います。当たり前のようですが、やってみると意外と難しいのではないでしょうか。

ギリギリが最も効果的

特にドーパミンが放出されやすいのは、本人が実力を出し尽くすことでようやく超えられるギリギリの壁を超えたときが最もドーパミンが放出されるといいます。

アスリートがストイックに過酷な練習に耐えぬくことがができるのも、その先にあるドーパミンと言う報酬を体が覚えてしまっているからです。以前、水泳の北島康介選手が、オリンピックで金メダルを獲得した後のインタビュー「超気持ちいい」と言ったのも、文字通り実力を出しきって最高の結果を手に入れることが出来たから、その褒美にドーパミンがドバドバ出たのです。

★次のページでは『ピグマリオン効果とドーパミン』をご紹介します。

photo credit: let your kids read to you (license)