ナイアシンは糖質・脂質・たんぱく質を代謝・分解するビタミン(B3)で、以下のような働きがあります。
・皮膚や神経を健康に保つ
・血行を良くし頭痛や冷え性の改善
・コレステロールや中世脂肪を代謝しやすくする→肥満の改善
・二日酔いの原因となるアセトアルデヒドを分解する
▼トリプトファンのその他の効果や作用
その他にも適量のトリプトファンを摂取することで、以下のような効果や作用があります。
・抗ストレス(セロトニンによる)
・快眠(メラトニンによる)
・肥満の改善(ナイアシンによる)
・肌荒れ改善、アンチエイジング(メラトニンによる)
・筋肉の増強(成長ホルモンによる。また、たんぱく質の材料として)
▼生活リズムを整える働きを持つ
トリプトファンの効果や働きの中で注目すべきは、脳の覚醒に関わるセロトニンや睡眠を促すメラトニンと言った、人の体内時計や概日リズムの維持に欠かせない物質の原料となっている点です。つまり、トリプトファンは、人が『朝起きて夜眠る』という、一見当たり前と思われがちな生活リズムを維持する上で必要不可欠な物質なのです。
トリプトファンは体内で作り出すことが出来ず、食品から摂取する必要がある必須アミノ酸です。トリプトファンは体内で様々な役割を果たしますが、中でもうつ病や不眠症に大きく関わるセロトニンへ変化する点と、セロトニンから睡眠ホルモンのメラトニンが生成される点(セロトニン経路)が大きな注目を浴びており、高ストレスや不安解消、快眠効果を期待したサプリメントとしても人気があります。
ただし、トリプトファンのサプリは、日本国内では栄養補助食品や栄養素としてのみ販売が許可されており、なんらかの効果・効能をうたうことは薬機法上は制限されています。また、サプリメントの多くは個人輸入という形で、海外の製品が販売されていますので、購入や使用の際にはその点に留意して下さい。
→参考:失敗しない睡眠サプリの選び方
食品から摂取したトリプトファンの、セロトニンやメラトニンへの合成経路は以下のようになります。
トリプトファンは、肉や魚など、食品のたんぱく質に含まれるアミノ酸ですから、日常生活の中で極端に不足する事態はあまり起こりません。
しかし、以下のような場合、トリプトファンの体内への供給が不足してしまう可能性があります。
・ダイエット
・好き嫌い、偏食
・菜食主義(豆や穀類で補給できるが)
・食生活の乱れ
・腸内環境の悪化
トリプトファンが不足すると、気分の落ち込みやイライラ、抑うつ症状が現れやすくなったり、不眠や寝付きの悪さ、眠りが浅くなるなど、睡眠の質の低下が起こる可能性があります。こうした場合、脳内ではセロトニンが不足している可能性があります。
トリプトファンの不足によって起こる脳内のセロトニンの不足は、男性よりも女性に起こりやすいとされています。女性の場合、生理周期の影響から、女性ホルモンによって脳内で働くセロトニン神経の働きが抑制されてしまう時期があり、その間、セロトニンの分泌が減少してしまうことが分かっています。
このため、女性は男性よりも脳内でセロトニンを分泌する能力が1/2程度しかないと言われており、これが女性がいらいらやヒステリー、気分障害などを起こしやすい原因であると考えられているのです。
つまり、セロトニンが不足しやすい女性にとって、トリプトファンは特に欠かすことが出来ない物質のひとつであるといえるのです。
© GTC