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意欲やモチベーションを高めるドーパミンですが、多く分泌されれば良いというものでもありません。ドーパミンの過剰な分泌には、ときにその快感を欲するあまり、例えば過食ギャンブル依存のように、意欲や欲求の暴走といった『副作用』ともいえる症状や特徴が現れてしまうことがあります。

ドーパミンが過剰に分泌されたときに起こりやすい症状

脳が一度ドーパミンを分泌させるモノ(食事、勉強、タバコや酒、恋愛など)を覚えると、再びドーパミンを分泌させるためにその物事への執着が強く現れるため、いわゆる依存症状に陥りやすくなります。

過食
食事は、手軽にドーパミンを分泌させることが出来る行為です。食べ物を口にすると脳からドーパミンが分泌されて、幸福感や快感を得ることが出来ます。特に、現代社会には食べ物が溢れ、いつでも、どこでも、気軽に食事を取ることが出来てしまいます。食事によるドーパミンの分泌の快感におぼれてしまうと、その気軽さゆえに、歯止めが利かなくなり、ときに人は過食に走ります。

依存症
辞めたくても辞められない依存症の原因はドーパミンの過剰分泌が関わっています。ドーパミンの分泌は快感を伴うため、一度その快感を覚えると、断ち切ることが難しくなってしまうことがあります。お酒やタバコには、それ自体に強い依存性があります。ギャンブルも一度「勝ち」を味わうと、その味を忘れられなくなります。また、お酒やギャンブル以外にも、現代社会では、恋愛依存、共依存、ネット依存、スマホ依存といった、人やモノとの繋がりに依存するケースも増えています。

何かにのめり込む」ということは、その対象によって善とされたり悪(依存)とされたりします。勉強や運動にのめり込んでいるのも、角度を変えれば依存しているといえるわけですが、責められることは少なく、ゲームばかりしていれば叱られるわけです。

せっかくドーパミンを使うのであれば、人から評価されることに依存したほうが賢明と言えるでしょう。

精神疾患
ドーパミンが過剰に分泌されると、脳が異常に興奮して、思考機能が過剰に働き、見えないものが見えたり、聞こえない声が聞こえたりといった、幻覚や妄想の症状を伴う『統合失調症』を発症する原因のひとつと考えられています。また、チック症やトゥレット症候群、強迫性障害といった精神疾患を引き起こす原因もドーパミンの過剰分泌であると考えられています。

ドーパミンが過剰分泌されてしまう原因

人は、『本能』という欲望や欲求むき出しの心を、『理性』という仮面を付けることで、社会性を保っています。欲望や欲求とは、ドーパミンやノルアドレナリンが分泌されるような状態であり、先に挙げた過食や依存症などもそうした状態に含まれます。

欲望や欲求といった本能を抑えている『理性』とは、セロトニンという神経伝達物質によって保たれています。セロトニンは、『心を平穏に保つ作用』がある物質で、ドーパミンによる行き過ぎた欲望や、怒りでノルアドレナリンが爆発したときに分泌されて、心が本能のままに暴走するのを抑制してくれる、心のバランスを保つ物質です。

ところが、セロトニンも無限に湧き出るものでもなく、ストレスや欲望を抑え続けることで、消費されて疲弊していき、終いには枯渇してしまうことがあります。

セロトニンが枯渇してしまうと、もはや『理性』という蓋は外れ、ドーパミンやノルアドレナリンの暴走を止めることは出来なくなり、周りの気持ちや迷惑なども考えず欲望のままに行動したり、怒りに任せて攻撃的になったりします。

こうしたセロトニン不足の状態になると、更なる快楽を求めてドーパミンは過剰に分泌されやすくなり、それはもしかしたら、なにかひどい過ちの始まりになってしまうのかもしれません。

男性よりも女性は過食や依存症になりやすい?

実は、過食や依存症は男性よりも女性に多く見られる行動だと言われています。そこには以下のような理由があります。

食べることを我慢している
女性は容姿を気にして、普段から食べることを我慢しがちで、日頃から食への欲求を押さえ込んで、知らず知らずのうちにストレスを溜めています。ストレスがたくさん溜まって我慢できなくなると、やけ食いによってストレスを一気に解消させようとします。そして、一度箍(たが)が外れると、過食に走ってしまいがちです。

セロトニンの量が少ない
女性は男性よりも、脳内に存在するセロトニンの量が少ないことが明らかになっています。セロトニンは、ドーパミンやノルアドレナリンの暴走を抑える作用がある物質。男性よりもセロトニンが少ない女性は、より欲望の赴くままに行動しやすいといえます。

★次のページでは『ドーパミンと睡眠』をご紹介します。

photo credit: Gluttony. (license)