慢性化すると深刻な影響も!危険な下痢とは

4172995258_6fc619e4dd_z

下痢とは、便中の水分量が多いこと。軟便や水様便とも言います。下痢は、本来大腸で吸収されるべき水分が、消化不良、食中毒、飲酒、刺激物の摂取、ストレスなど、何らかの原因によって、十分に吸収される前に排出されてしまうことで起こります。また、腸の働きが弱って水分の吸収力が弱くなったときも下痢になります。更に、重症の場合は腸壁から腸管内に水分が逆流することもあります。下痢は女性よりも男性の方が発症しやすいとされます。

下痢の原因

主な下痢の原因には以下の様なものがあります。

  • 食あたり(生物や賞味期限切れの食品)や水あたり(水分のとりすぎ、お酒の飲み過ぎ、いつもと違う水)
  • 消化不良(早食い、就寝前の食事、脂肪分や糖分の高い食事、刺激の強い食べ物や飲み物、香辛料、普段口にしない食材など)
  • 病原性細菌による食中毒やウィルス感染
  • 飲酒
  • ストレス
  • 気候の変動
  • 体の冷え、低体温
  • 抗生剤(腸内細菌も殺してしまうため)
  • 過敏性腸症候群(IBS)

下痢には一時的なものと、長期間続く慢性的な下痢の2種類があります。食あたりや水あたりなどが原因で一時的な下痢の場合は、時間の経過とともに改善することが多いです。

ただし、細菌やウィルス、寄生虫などへの感染による下痢の場合は、放置すると重症化することもあります。一定期間下痢が続く場合は、医師の診療を受けることをお勧めします。

下痢は医療体制の整っていない発展途上国では主な死因の一つに数えられるほどで、決して下痢を甘くみてはいけません。

また、長く続く下痢は、腸内フローラの悪化や重大疾患のサインである可能性もありますので、放置せずに医師の診察を受けましょう。

生活習慣の乱れと下痢

現代の社会において下痢をしやすい人が増えた原因の一つとして、生活習慣の乱れが挙げられます。睡眠不足がちな生活、栄養バランスの偏った食事、慢性的なストレス、過度の飲酒などは、胃や腸などの消化器官に悪影響を及ぼし、また、自律神経系のバランスにも影響を及ぼします。

消化器官が弱れば、食事によって体内に入った食物を上手に消化しにくくなって下痢になりますし、自律神経のバランスが崩れていつも交感神経系が興奮した状態になると、やはり消化器官の働きが衰え、食物や水分の消化吸収に悪影響が出るため下痢になりやすくなります。

また、近年の日本で増え続けている下痢症状が、ストレスが主な原因として発症する過敏性腸症候群(IBS)です。

「特に思い当たる原因はないけれど、下痢体質だ」というような人は、この過敏性腸症候群かも知れません。

下痢を改善するには

下痢になりやすい人が下痢をしないように改善するには、生活習慣を見直す必要があります。一般的には、以下のような点を見直すと良いでしょう。

食事
食事は下痢の原因を作る大きな要因です。肉類や魚類などに多く含まれるタンパク質や脂質は、腸の中の悪玉菌の好物で、悪玉菌が増える原因になります。
タンパク質や脂質ばかりのバランスの悪い食生活では、下痢や便秘を起こしやすくなりますので、野菜や海藻など、食物繊維を多く含む食材、そして乳製品や発酵食品など、乳酸菌を含む食材をバランスよく食べて、腸内環境を整えるとよいでしょう。
過敏性腸症候群の原因の一つとされる、腸内のセロトニンの生成には、乳酸菌などの腸内細菌が関わっていることがわかっており、栄養バランスの良い食事をすることが、腸内細菌の住みやすい腸内環境を整える上で必要不可欠です。
また、免疫力が下がっている状態で食事などから体内に菌が入ると下痢をしやすくなりますが、腸は人の免疫機能のおよそ7割を担っており、腸内環境を整えることで免疫機能の向上にも繋がります。
こうして栄養バランスの良い食事で腸内環境を整えることは、下痢の改善に役立ちます。
よく噛んで食べる
食事の際、よく噛んで食べることで唾液の分泌が促され、食物を分解する消化酵素が出やすくなります。また、よく噛むことで食物はそれだけ小さく寸断されますから、胃腸での消化と吸収もその分容易になります。
柔らかく調理されたものを食べる機会が多い現代ですが、固いものをしっかりと噛んで食べることも時には必要です。
睡眠
食物の消化吸収をする胃や腸などの消化器官の働きは、自律神経系によって制御されています。自律神経系のうち、副交感神経系が優位な時に消化器官が活発に働きます。
副交感神経系が優位になるのは、食後の休憩時間中や就寝前のリラックスタイム、そして何よりも睡眠中です。睡眠が不足すると、それだけ副交感神経系が優位になる機会が減り、消化器官の働きが制限されてしまうため、下痢を起こしやすくなってしまいます。
また、睡眠不足により副交感神経系が制限されるということは、それだけ交感神経系が優位になる機会が増えるということでもあります。交感神経系が興奮した状態が続くと、体からはノルアドレナリンコルチゾールと言ったストレスホルモンが分泌されます。
ノルアドレナリンなどのストレスホルモンは、腸内にいる悪玉菌の病原性を強めることがわかっています。睡眠不足で交感神経系が興奮する時間が長くなると、腸内環境が悪化し、下痢の原因となる悪玉菌が活性化しやすくなると言えます。
睡眠をしっかりとることで、交感神経系の興奮を抑えて、副交感神経系が優位に働く時間を増やすことができます。
適度な運動
腸が便を排出する時に起こるぜん動運動は、腸の周りに付いている筋肉が収縮することで行われる運動です。運動が不足すると、こうした筋肉が衰え、便を排出するぜん動運動をする力が弱くなります。
また、筋肉が衰えたことで起こるとされる「ねじれ腸」や「落下腸」と言った、腸の形やポジションの異常も運動不足によって起こりやすくなります。
運動は激しいものではなくとも、日頃の散歩など、比較的負担の少ないものでもよく、何よりも「継続すること」が大事です。
また、運動と同時に、呼吸法にも注意するとより効果的です。ヨガや座禅などで行われる、いわゆる腹式呼吸、丹田呼吸法と言った呼吸法は、腸の周りにある腹筋を刺激することができます。<更に丹田呼吸法はセロトニン呼吸法とも呼ばれ、体内のセロトニンを活性化させることにも繋がり、腸のぜん動運動を正常に行うようにする効果も期待できます。
体を温める
東洋医学では『冷えは万病のもと』などと言われますが、体が冷えると血液の循環が滞ったり、自律神経系の働きが鈍り、それだけ胃腸の働きも弱くなり、腸での水分吸収率も下がるため下痢をしやすくなります。
体を温めて体温を高く保つことで、体の免疫力を高める事ができ、下痢の原因となる食事からの細菌やウィルスの混入にも対応しやすくなります。
ストレス解消
近年、「脳腸相関」という言葉がよく使われますが、脳と腸は自律神経系を介して強く結びついており、相互に影響を与えていることが徐々に明らかになってきました。脳が感じる不安や緊張などのストレスは腸に伝わり、下痢や便秘を引き起こす過敏性腸症候群の原因になることが明らかになってきました。
日頃から強いストレスを感じている人は、お腹の調子を崩しやすく、また、突発的な強いストレスによって下痢や便秘を引き起こすことが分かっています。また、ストレスは、下痢の原因のとして挙げた睡眠不足や体の冷え(低体温)の原因にもなります。
ストレスを溜めずに解消すること、ストレスから遠ざかること、ストレスに強い健康な心身を鍛えることは、下痢を解消するだけでなく、睡眠や健康にとっても非常に効果的なのです。

photo credit :Russell Hayes



authored by

★参考になったと思ったら是非ソーシャルメディアでシェアしてください!