オキシトシンが不足すると

人と人との関係を形成する、愛情ホルモンオキシトシンですが、不足すると様々な弊害が起こります。また、現代の日本社会は、オキシトシンが不足しやすい状況になりつつあるとも言えます。

オキシトシンが不足すると

オキシトシンの主な効果は、「他人への信頼感を高めること」と、恐怖や警戒心から脳がストレスを感じるのを緩和してくれることです。そのため、オキシトシンが不足すると以下のようなことが起こりやすくなることが考えられます。

  • 他人との人間関係を築きにくい
  • 人とコミュニケーションを取るのが難しいと感じる
  • 友人ができにくい
  • 他人が恐い、他人の気持ちを理解できない
  • 人から理解されず孤立しやすくなる
  • 対人ストレスが溜まりやすくなる
  • 対人恐怖症や過緊張、あがり症を起こしやすくなる
  • 内向的になる
  • 外に出て、人と接するのが億劫に感じやすくなる

このように、オキシトシンが不足してしまうと、人が社会生活を送る上で最も重要な、対人コミュニケーション能力が低下してしまうことが考えられます。何となく社会の中で孤立しがちで、孤独を感じたり生き辛いと感じたら、オキシトシンが不足しているのかもしれません。

オキシトシンが不足する原因

オキシトシンが不足する原因は、私たちの日常生活の中に潜んでいます。

人との関わりが少ない
オキシトシンは、人と人との関わりの中で分泌されるという特徴を持ったホルモンです。そのため、オキシトシンは一人でいても勝手に分泌してくれることは無く、人との関わりが少ない、例えば『引きこもり』のような生活を続けていると、分泌されにくくなってしまうのです。

特に、スマホやパソコンなどの電子機器が発達した現代では、以前よりも人と直接コミュニケーションを取る機会は少なくなり、勉強や仕事も、必ずしも学校や職場に行かなくても完結できてしまうため、人との関わりの薄さが助長されてしまうのです。

仕事での孤立
会社で働くサラリーマンも、人との関わり不足から、オキシトシン不足になっていることがあります。特にバリバリ一人で働くやり手の人に多いのが、社内での人間関係の構築よりも、自分が抱える仕事に没頭していると、同僚との間でオキシトシンの分泌が不足してしまうケースです。

一人で自分の仕事をする上では、あまり問題にはならないのですが、優秀な人ほど出世もしやすいもので、出世して人の上に立ったときに、他者との間のオキシトシン不足が一気に問題化するのです。

これまで社内での人間関係が築けていないため、同僚や部下の考えていることなどをあまり把握していないため、いざ上司になってしまうと、部下の考えていることが全く理解できずに苦しむ、という事態に陥ることがあるのです。

若い人には敬遠されがちな、社内飲み会や帰りに一杯、飲みニケーションなどは、社員の相互理解を深めて、お互いがオキシトシンを分泌できるような仲になるという点では案外重要なのかもしれません。

核家族化と少子化
日本では、核家族化と少子化が進んだ結果、本来は最も信頼出来るはずの家族との結びつきも、以前よりも希薄になり、家族同士でもお互いのことをよく知らないし、他人のことはもっと知らない、ということが増えています。

少し前のニュースでは、「マンション内であいさつ禁止にしてほしい」という意見から、あいさつ禁止になったというものがありましたが、これも現代社会の人間関係の希薄化を象徴している一つの出来事だと思います。

実は、かくいう私も、住んでいるマンションの隣の部屋の人の名前も知りません。

こうした希薄化した人間関係は、他人への警戒心を強め、オキシトシンが分泌されにくい状態を作り出してしまうのです。

ホルモンバランスの乱れ
ホルモンバランスの乱れもオキシトシンが不足する原因となります。

ホルモンバランスが乱れる原因は、過度のストレス、生活習慣の乱れ、睡眠不足、特に女性の場合は月経周期やPMSによる女性ホルモンの乱れ、そして更年期に起こる更年期障害などが挙げられます。

また、男性の場合、何らかの原因で男性ホルモンであるテストステロンの分泌が増えると、オキシトシンは逆に減少しやすくなります。テストステロンは、生物の雄が持つ野性味や攻撃性を増幅させる働きを持つホルモンで、人間の場合は、男性らしさやリーダーシップを発揮しやすい一方、家庭や恋人への執着心が薄れ、大事なパートナーとの間のオキシトシンが分泌されにくくなってしまうと考えられています。

photo credit: zubrow Domestic quarrel (license)



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