ハグ(hug)とは、いわゆる抱擁のことです。欧米では人との挨拶の一貫で互いにハグをする習慣がありますが、日本人は恋人でもない限りは握手程度。ハグはスキンシップの一種で、相手との親密さを図るバロメータであると同時に、実はストレスを軽減する効果も併せ持っているのです。

スキンシップのストレス軽減効果

スキンシップは、『オキシトシン』の分泌を活性化させる方法の一つに数えられます。オキシトシンは、ストレス耐性を高め、心や体をストレスから守るホルモンで、幸せホルモンとか、愛情ホルモンなどと呼ばれます。

人と人がハグのようなスキンシップをすることで、お互いの警戒感はほぐれ、相手への信頼性が増し、人間関係の構築やコミュニケーションの円滑化が計られます。ハグでオキシトシンが分泌されると、その結果、ストレスが緩和されると考えられています。

ストレスを感じていてもいなくても、欧米人のように頻繁にハグし合うことは、自然とストレスを軽減してくれるため、どんどん家族や恋人、時には友人ともどんどんハグし合うと良いでしょう。

一人の場合はどうすれば

ハグをすることでストレスを軽減できることがわかっていても、人はいつも誰かと一緒にいるわけではなく、つらい夜を一人で過ごすこともあります。得てして、辛い時や寂しいときに限って、一人ぼっちだったりするものです。

一人の場合は誰かとスキンシップを図ることが出来ませんから、オキシトシンによってストレスを軽減させることが出来ないように思えます。こうした場合にストレスを軽減させるにはどうすれば良いでしょうか?

実は、一人でもオキシトシンの分泌を促進する方法があります。
・バタフライハグ
・ペットとハグ

バタフライハグ

一人で出来るオキシトシン分泌の方法の一つに、バタフライハグと言うものがあります。バタフライは英語で蝶のことです。

バタフライハグは、もともとはPTSDのような強いストレス体験によって起こる、トラウマやフラッシュバックのようなストレス症状の緩和を目的として取り入れられる、心理療法の一つです。

深刻なストレスを抱えていない場合のバタフライハグの方法としては、
1.両腕を胸の前で交差して肩に回す。
2.目を閉じる
3.左右の肩を交互にポンポンと軽く叩くように抱擁する
4.深呼吸しながら3~5分ほど繰り返す

参考動画(YOUTUBE,英語):The Butterfly Hug (EMDR Self Help)

ペットとハグ

幸せホルモンオキシトシンは、ハグのような人と人とのスキンシップで分泌が促進されるという性質があります。実は、ハグの相手を人ではなくペットに置き換えても、一定量のオキシトシンが分泌されることがわかっています。

日本でも介護施設などを中心に、セラピー犬と言われる、専門訓練を受けた犬によるドッグセラピーやアニマルセラピーが徐々に広まっていることからもわかるように、犬や猫など、動物とのふれあいによって人の心は癒やされるのです。

しかも、自分が飼っている大好きなペットと触れ合うと、ペット側にもオキシトシンが分泌されて、ペットのストレスも一緒に緩和されるといいます。(ペットのオキシトシン分泌量は、犬の場合は多く分泌され、ボディタッチが苦手な猫の場合は少ないそうです。)

しっかりとストレスケアを

日本では年々高齢化が進み、独り身の高齢者も増えています。また、生涯未婚率や離婚率も上昇の一途を辿っており、一人で過ごす単身世帯が増えていることがわかります。

家族や恋人とスキンシップが取りにくい独り身の場合は、日常生活の中で受けるストレスが解消しにくくなる可能性があり、知らず知らずのうちにストレスがどんどんと玉って言ってしまう恐れがあります。

ストレスは、うつ病や不眠症のような心の病気につながるだけでなく、肥満、生活習慣病、高血圧症、心筋梗塞、ガンなど、ありとあらゆる疾病の入り口でもあります。

独り身の人も、ストレスを緩和するオキシトシンをしっかりと分泌させて、ストレスケアを怠らないようにしましょう。

photo credit: ChrisGoldNY Canzelle Alpacas – Carpinteria, California (license)