ラフマ(羅布麻)は、中国北西部からモンゴルの広い範囲かけて自生する、荒れ地や砂漠に生える多年草のことです。中国国内では古くから、ラフマの繊維は布や紐の材料として重宝され、また葉を乾燥させたものは健康茶として愛飲されてきており、医薬品として国が効果を定めるほど、健康への効果があることが知られています。

ラフマの特徴

ラフマは荒れ地や砂漠など、劣悪な環境下に生える、生命力あふれる植物です。ラフマの繊維は麻に似ており、丈夫な布や紐の原材料として古来より用いられ、現代では「快眠寝具」などとしても重宝されています。

ラフマには、白麻紅麻の2種類があり、紅麻の葉は「お茶」として服用され、主な効果として数えられるのが、血圧低下、高血圧予防、また、血圧を一定に保つことによる、リラックス効果、免疫力の活性作用などで、生活習慣病の予防や改善にも一定の効果が期待されます。

また、ラフマの紅麻の全草は「漢方薬」としても用いられ、血圧やコレステロールの低下、免疫改善作用などの効能があるとされています。また、高血圧症、気管支炎、喘息の治療にも用いられます。

ラフマの効果

ラフマの原産地である中国では、ラフマには様々な効果があると考えられています。

ラフマの効果
風邪の諸症状の緩和/喘息や気管支炎の緩和/免疫力の向上/血圧の低下・安定作用/活性酸素の除去作用(SODの活性化)/抗酸化作用/老化防止/生活習慣病の予防/アレルギー緩和/利尿作用/肝臓保護/精神のリラックス作用/ストレスの緩和/うつ症状の緩和/快眠作用/睡眠の質改善

ラフマには様々な有益な効果が有ると言われていますが、そうした効果をもたらす基となっている主たる効果は、『血圧を低下させる作用』であると考えられます。

ストレスや高血圧症などによって上昇した血圧が低下することで、精神のリラックス、免疫力の改善、ストレスの緩和など、様々な副次的な効果が得られるのではないかと考えられます。

ラフマにはセロトニンを増やす効果があると言われることがありますが、これも血圧低下によってストレスが改善されることなどによる副次的な効果ではないかと考えられます。

また、ラフマの効果を調べた研究(NCBI,英文)では、ラフマの葉の抽出物(フラボノイド抽出物)には、脳内のドーパミンノルアドレナリンに作用する抗うつ作用があることが示唆されています。

ラフマの活用

健康に有益な様々な効果があるとされるラフマ。ストレスの多い私たち現代人は、是非上手に活用したいところです。

ヤンロン茶

ラフマの葉は日本ではヤンロン茶として知られています。

ヤンロン茶のトクホ
ヤンロン茶のトクホの商品が販売されていたことがあり、国立健康・栄養研究所のトクホの商品詳細によると、”燕龍茶フラボノイド「HP+IQ」(ケルセチン配糖体)は血管中膜の肥厚を抑制するとともに、血管内皮機能を改善し、一酸化窒素を介した血管平滑筋弛緩による降圧作用を有するとされています。”(一部抜粋)
*HP:ハイペロサイド
*IQ:イソクエルシトリン

ラフマに含まれるビタミンP

ラフマにはビタミンPが豊富に含まれています。

ビタミンPは水溶性ビタミンの一種で、お茶の葉に含まれることで知られるフラボノイドやワインに含まれることで知られるポリフェノールなどの一種です。また、カテキンやイソフラボン、アントシアニンなどもビタミンPの一種です。

ビタミンPは優れた抗酸化作用を持ち、血管の柔軟性を保ち、血管の老化を抑える働きがあり、動脈硬化の予防や、血管が集中する臓器の疾病を予防する効果などがあると考えられています。

また、ビタミンPはビタミンCの酸化を防止する働きを持っています。ビタミンCは免疫力の維持、肌の再生、骨を丈夫に保つ、精神の安定など、人の健康に広い影響を与える物質です。

photo credit: Lomatium Apocynum androsaemifolium via photopin (license)