プロゲステロンとは

プロゲステロンとは代表的な女性ホルモンの一つで、黄体ホルモンとも呼ばれ、妊娠の維持に必要不可欠なホルモンです。生理周期の後半になると分泌量が増加し、妊娠に備えて準備を行います。プロゲステロンは、多くの女性の悩みでもあるPMSの諸症状を悪化させる原因でもあります。

プロゲステロンの効果や作用

プロゲステロンは、生理周期の後半に分泌量が増加するホルモンで、主に妊娠の維持継続のための準備をする働きを持っています。プロゲステロンの効果は以下の様なものです。

  • 食欲の増進
  • 基礎体温の上昇
  • 肌の保湿
  • 血糖値維持
  • 利尿作用

プロゲステロンの悪影響

プロゲステロンの分泌による作用には、心身に様々な影響を与えるものが数多くありますが、残念ながら中には悪影響とも言うべきものも多くあります。

  • 便秘
  • むくみ
  • 吹き出物
  • 体脂肪の増加
  • 腰痛、頭痛、肩こり、腹痛
  • 集中力や記憶力の低下

こうした悪影響は、女性のPMS(月経前症候群)の症状と合致したものであり、プロゲステロンはPMSが発生する主要な原因であると考えられています。

プロゲステロンとPMSとの関わり

女性ホルモンであるプロゲステロンとエストロゲンは女性のPMS(月経前症候群)の症状に深く関わっています。特にプロゲステロンの分泌量が増加する生理周期後半に、PMSの諸症状を起こす女性が多いことから、プロゲステロンはPMSの主犯と目されています。

プロゲステロンによる低血糖

プロゲステロンには、インスリン抵抗性を上げる働きがあります。インスリン抵抗性が上がると、インスリンによる血糖値を下げる作用が弱くなってしまいます。

すると、食後に血糖値が上昇したとき、血糖値を下げるために膵臓からは通常よりも大量のインスリンが分泌されてしまい、その結果、血糖値が急激に低下してしまうことで、低血糖の状態になってしまうのです。

低血糖になると空腹感を感じやすくなり、過食気味になります。また集中力低下、いらいら、不安、めまいや立ちくらみ、倦怠感、疲労感、動悸、発汗など、まさにPMSの諸症状が現れるのです。

PMSで太りやすくなる理由

プロゲステロンによってインスリン抵抗性が上がると、普段よりもインスリンが大量に分泌されてしまいます。インスリンには、脂肪を溜め込む作用があるため、排卵日後のプロゲステロンの分泌量が増加する時期は、脂肪が増えて太りやすい時期でもあります。

また、プロゲステロンによりインスリン抵抗性が上がることで、低血糖を起こしやすくなると、低血糖の症状として空腹感を感じやすくなるという働きにより、普段よりも余分に食べてしまいやすいという点も、PMSが起こる排卵日後から生理前の時期に太りやすくなる要因です。

プロゲステロンはステロイドホルモンの前駆体である

プロゲステロンはステロイドホルモンの前駆体となります。ステロイドホルモンとは、『コルチゾール』のようなストレスホルモンや、テストステロンやエストロゲンのような性ホルモンです。

プロゲステロンはコルチゾールの前駆体

副腎皮質で作られるコルチゾールは、プロゲステロンによって合成されます。

ホルモンの合成順 肝臓で合成されたコレステロールから、全てのステロイドホルモンの前駆体である『プレグネノロン』がつくられ、プログネノロンからプロゲステロンがつくられ、プロゲステロンから最終的にコルチゾールが合成されます。

仕事や人間関係などでストレスを抱えていると、ストレスホルモンであるコルチゾールがどんどん合成されるため、前駆体であるプロゲステロンも大量に消費されてしまうのです。

プロゲステロンが不足すると

プロゲステロンは、体内で数多の働きをしているステロイドホルモンの前駆体であるため、不足しがちなホルモンです。プロゲステロンが不足すると、以下のような影響や症状が起こりやすくなります。

  • 生理不順
  • 無月経
  • 子宮出血
  • 不妊
  • 抑うつ症状

精神的な影響
プロゲステロンはストレスホルモンであるコルチゾールの前駆体でもあるため、不足するとコルチゾールの分泌にも影響が及び、コルチゾールによる抗ストレス作用が発揮できなくなります。

また、プロゲステロンの分泌が減少するようなホルモンバランスの乱れは、脳の視床下部にも伝わり、同じく脳の視床下部からの司令で働く、脳内のセロトニン神経の働きを抑制してしまい、『セロトニン』の分泌量が低下する恐れがあります。セロトニンは脳内で精神の安定を司る物質であり、分泌が減少すると精神安定作用が損なわれ、ノルアドレナリンドーパミンの暴走を招きます。

プロゲステロンの不足から、コルチゾールやセロトニンの分泌が減少することで、意欲の減退や集中力低下、イライラ、クヨクヨ、哀しみ、不安など、うつ病にも似た抑うつ症状が現れやすくなると考えられています。

プロゲステロンを増やすには

プロゲステロンは妊娠を安定させる働きを持つホルモンであるため、不足することで生理周期の乱れを起こしたり、妊娠の継続が難しくなる場合があります。プロゲステロンを自然に増やすには、以下のようなことを心がけましょう。

ストレスを溜めない
日常生活の中にある様々なストレスは、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌量を増加させます。プロゲステロンはコルチゾールの前駆体であるため、ストレスが増えると、その分プロゲステロンが消費されてしまい、妊娠を維持するための量を分泌できなくなるおそれがあるのです。

ストレスが体に悪いということは分かっていても、そのストレスから回避する術を持たない人や、逃げる場所がない人が多く居ます。現代社会ではストレスは必ずついて回りますが、妊娠を望む場合で、ストレスによってプロゲステロンの分泌量の低下に悩んでいる場合、いっその事仕事を辞める、引越しをして現在の環境から遠ざかる、など、生活全体を思い切って見直すこともストレスを遠ざけるためには必要な場合があります。

自律神経系を整える
プロゲステロンの分泌を促進させる脳の下垂体は、脳の視床下部からの司令によって働いています。脳の視床下部では、ホルモンの分泌以外にも、様々な司令が出されており、自律神経系の働きも脳の視床下部でコントロールされています。

そのため、自律神経系の働きに乱れが生じると、脳の視床下部からホルモンの分泌の司令も正しく行われなくなることがあり、それがホルモンバランスの乱れや、プロゲステロンの分泌量低下などに繋がる可能性があります。

自律神経系が乱れる大きな要因は、先にもあげたストレスです。その他にも、睡眠不足、不規則な生活、過労、食生活の乱れ、ダイエットなど様々です。

睡眠不足
睡眠は、プロゲステロンの分泌を阻害するストレスを解消する有効な手段です。
そのため、プロゲステロンを増やそうとするときに、特に気をつけなくてはならないのが、睡眠不足です。

忙しい現代人は年々睡眠時間が短くなってきており、特に女性は男性よりも睡眠時間が平均すると毎日30分程度短いという統計データもあります。

photo credit: xusenru Maternity photoshoot – Фотосессия беременных в Москве (By Khusen Rustamov) (license)



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