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エストロゲンは代表的な女性ホルモンの一つで、卵胞ホルモンとも呼ばれます。生理周期を形成し、妊娠しやすい環境を整えるホルモンです。女性らしい体つきや女性としての性機能を保つための働きをしています。また、精神の安定にも影響を及ぼし、減少するとイライラや不安を感じやすいなどPMS(月経前症候群)の症状が現れやすくなります。

エストロゲンの効果や作用

  • 髪や肌の潤いを保つ
  • 女性らしい体型を保つ
  • 精神の安定作用
  • 痩せやすくなる
  • 人とのコミュニケーション能力を高める
  • 妊娠しやすい環境を保つ
  • 血管を健康に保つ

エストロゲンの分泌

エストロゲンの分泌は女性の生理周期と密接な関わりがあります。生理周期の前半、特に排卵日までの間はエストロゲンの分泌量が増加し、エストロゲンにより髪の毛や肌に潤いが生まれ、より女性らしく魅力的な体型になり、社交性も増して、積極的に男性にもアプローチするようになります。

生理周期の後半、排卵日後からはエストロゲンの分泌量は減少し、肌が荒れやすくなったり、片頭痛が起こったり、イライラや抑うつなど、PMSの症状が現れやすくなり、人との関わりも億劫になり、内向的になりやすくなります。

また、排卵日後は、同じく代表的な女性ホルモンである、『プロゲステロン(黄体ホルモン)』の分泌量が増加し、これもPMSの症状に深い関わりがあると考えられます。

女性の性格の変遷は、こうした女性ホルモンの分泌バランスによって、大きく左右されているのです。

エストロゲンが不足すると

ホルモンの分泌量には体格や年齢、生活習慣などによって個人差があり、不足するとPMSの症状が悪化したり、生理周期が不安定になるなど、様々な悪影響が生じます。

  • イライラや不安
  • 生理不順、無月経
  • 肌荒れ、髪のツヤが減る
  • 太りやすい、身体がむくむ

▼長期的な影響やリスク

  • 皮膚の色素沈着
  • 心臓や血管の疾患リスク
  • 骨粗鬆症になりやすい

不足する原因

エストロゲンが不足する原因をいくつかご紹介します。

ストレスが最も大きな原因
現代社会で、エストロゲンの分泌が不足する最も大きな原因はストレスです。脳がストレスを受けるとエストロゲンの分泌司令を出す、脳の視床下部に刺激を与え、エストロゲンとは別のストレスホルモン『コルチゾール』が多く作られるようになります。

コルチゾールとエストロゲンは共に肝臓で合成されるコレステロールを原材料として合成されるホルモンであるため、ストレスによってコルチゾールがたくさん作られると、エストロゲンの材料が不足してしまい、エストロゲンの分泌量が減少してしまうことがあるのです。

自律神経系の乱れ
また、ストレスは脳の視床下部によってコントロールされている、自律神経系にも乱れを起こします。自律神経系は女性ホルモンなど、内分泌系の働きと密接な関わりがあることから、自律神経系の働きが乱れることで、女性ホルモンなど内分泌系の働きにも悪影響が生じて、分泌バランスが乱れてしまうことがあります。

痩せ型の人はより不足しやすい
エストロゲンの材料は、肝臓で合成されるコレステロールです。コレステロールは脂肪の一種であり、痩せ型の女性の場合、体脂肪率が低く、エストロゲンなど女性ホルモンの材料となるコレステロールを肝臓が合成する量が少なくなってしまうことが考えられます。

また、成長期にエストロゲンの分泌量が少なかったことも、痩せ型の体型になる原因の一つと考えられます。

エストロゲンを増やすには

ストレスを溜めない

エストロゲンの分泌を阻害する最も大きな要因は、ストレスです。従って、ストレスを溜めないことがエストロゲンの分泌を増やすのには重要なのです。しかし、現代社会では仕事や人間関係などによるストレスは避けて通れません。

ストレスとうまく付き合いながら、溜めすぎないためには以下のような心がけが大事です。

睡眠を十分取る
エストロゲンの分泌に限らず、睡眠は脳や体の健康を保つためにも老化を防ぐためにも非常に重要です。睡眠はストレスの最も有効な解消手段でもあり、睡眠をたっぷりととることで、ストレスが解消されて、エストロゲンの分泌にも良い作用をもたらします。

運動をする
運動は効率的なストレス解消法の一つです。また、女性の場合は男性に比べて筋肉量も少ないため、これが身体の冷えなどの原因となり、PMSの症状が悪化する原因の一つにもなります。さらにウォーキングなどの一定のリズムで継続して行う運動には、脳内でセロトニン神経を活性化させて、セロトニンの分泌量を増やす効果も期待できます。

ストレス解消によるエストロゲンの分泌量増加、筋肉量の増加、さらにセロトニンの増加など、運動習慣を付けると良い効果が目白押しです。

食生活
エストロゲンの材料となるのは、肝臓で合成されるコレステロールです。コレステロールは脂肪の一種ですから、食事では積極的に脂質の摂取をすると良いでしょう。ダイエットなどのため、脂っこいものを敬遠する女性は多いですが、脂っこいものでなくても脂質がたっぷりと含まれているものは多くあります。

例えば卵や牛乳、チーズ、ごまなどは、脂質だけでなく様々な栄養素が含まれており、エストロゲンだけでなく身体の健康にも大いに貢献してくれる食品です。

また、大豆などに豊富な『イソフラボン』は、植物性エストロゲンなどとも呼ばれ、体内でエストロゲンに似た働きをしてくれるということで注目されています。大豆が使われた食品は、納豆や豆腐など、低カロリーで食べやすいものが多く、食物繊維も豊富で、便秘しがちな女性の腸内環境にも優しい食品です。

エストロゲンの過剰摂取

エストロゲンは女性らしい体型や性格の形成に役立ちますが、エストロゲンをサプリメントなどで過剰に摂取すると、子宮内膜症や子宮筋腫、その他乳がんや子宮頸がんなど、婦人系の疾患にかかりやすくなると言われています。

また、妊娠中の過剰摂取は、胎児に悪影響が生じる危険があるため、独断での摂取は控えて、必ず医師に相談しましょう。

photo credit: benjaflynn At ease (license)