スマホや電子機器の普及で、家中どこでもスマホを持ち歩き、眠る前の読書も紙の本ではなく、キンドルを使う、なんて人も増えてきました。「明日何時に起きればよいか」とスマホで調べられる便利な世の中になる一方で、スマホを始めとした電子機器の利用は、睡眠を阻害する可能性があります。

電子機器が睡眠を阻害する理由

電子機器が睡眠を阻害する理由は、「交感神経が刺激される」「ブルーライトによる影響」の2つがあります。

交感神経が刺激されてしまう

スマホやテレビ、パソコンといった電子機器を利用することで、脳へ情報が送られると、交感神経が刺激されて、脳が興奮してしまいます。人の体は交感神経と副交感神経に制御されており、就寝前には本来は副交感神経が優位になっているところ、交感神経が刺激されると、眠気が取れて目が冴えてしまい、寝付きが悪くなったり、眠りが浅くなるなど、睡眠の質を悪化させてしまう恐れがあるのです。

ブルーライトによる睡眠への悪影響

ブルーライトとは、スマホやテレビと言ったLEDを使用したデジタル電子機器から発せられる光線のことです。ブルーライトは人が目で感知出来る可視光線の中でも強いエネルギーを持っており、紫外線にも近い性質があります。

ブルーライトは人の身体に大きな負担をかけるため、厚生労働省のガイドラインでも長時間のデジタル機器の使用は避けるよう勧告されています。自然界に存在する光(太陽光)にもブルーライトは含まれていますが、近年特に問題になっているのは、人工のデジタル機器から発せられるブルーライトです。

ブルーライトには、強いエネルギーがあるのと同時に、人の体内時計の調整を行う性質もあります。自然界では昼間に太陽の光を浴びて、夜は暗闇になりますが、人工のブルーライトが溢れる現代では、時間にかかわらず、光が満ちていて、こうした光を夜眠る直前まで浴び続けることで、体内時計を乱す要因になったり、自律神経系やホルモンの分泌リズムなどを崩す原因ともなります。

スマホいじりが子供の睡眠不足の一因に

便利なツールであるスマホですが、その一方で若年層のスマホ依存なども深刻化しており、スマホでの友達とのやりとりやソーシャルゲームでの遊びが深夜まで及んで、就寝が遅くなるケースが多々あります。

また、スマホだけでなく携帯ゲーム機など、親の目の届かないところでも使用出来るような電子機器を夜遅くまで使うと、上で紹介したようなブルーライトの影響で、睡眠に問題が生じる可能性があります。

成長期の子どもたちの睡眠不足による悪影響は、身体の成長のみならず、学習能力の発達にも大きく影響がありますので、ご家庭でルールを定めて使用させるなどして頂ければと思います。

快眠のコツ

寝付きが悪い、眠りが浅いなど、睡眠の質に問題をと感じる人は、就寝3時間前くらいからスマホやテレビなどの電子機器の光を浴びないように心がけましょう。

また、電子機器や人工の光以外にも、快眠を阻害するモノが現代には満ち溢れています。詳しくは『快眠のための10のコツ』をご覧ください。