サプリメント

サプリメントとは、不足しがちな栄養素の補給を目的とした食品で、英語の『Dietary Supplement』の訳語です。
日本語では栄養補助食品、健康補助食品とも呼ばれています。

従来のサプリメントは、不足しがちな必須栄養素(ビタミン、ミネラル、脂肪酸など)を補う目的で栄養補助食品として開発され、使用されてきました。

20世紀の終わりになると、医療費の高騰により病気の予防の必要性が増したことと、健康志向ブームが重なり、不足した栄養補給が目的だったサプリメントが健康維持の目的でも広く使用されるようになりました。

医薬品とサプリメントの違い

医薬品とサプリメントの違いは、おおまかには、医薬品は治験により効果を実証されたもので、効果や効能を表示することが出来るものであるのに対し、サプリメントのような健康補助食品には、その効果や効能を表示させることは出来ない、という点です。

国によって規制方法や分類される食品などが大きく異なり、アメリカでサプリメントとして販売されているものが、日本では医薬品として規制されている場合があります。

アメリカでは、サプリメントは「栄養補助食品健康教育法」という法律により、「ビタミン、ミネラル、ハーブ、アミノ酸のいずれかを含む」ことと「食事の補助を目的とする製品」であることが定義されており、FDAによって監視されています。

日本での規制は「薬機法」により医薬品と食品を分けるもので、サプリメントは食品に分類されます。

食品に分類されるサプリメントには、医薬品に該当する成分を配合すること、医薬品と紛らわしい効果効能を表示すること、またはそうした広告を掲載することが禁じられています。

例えば、サプリメントに「○○が治る」「飲むだけで痩せる」などと表示すると薬機法に違反することになります。
そのため、サプリメントの販売者は、TVやインターネットで商品を宣伝する際、「利用者の感想」や「口コミ」などの間接的な形で、出来るだけ具体的かつ誇大に効果が示唆されるように作られています。

日本とアメリカのサプリメントの違い

アメリカ
・国民皆保険制度がない
・医療費が高額
・医薬品のかわりに安価なサプリメントで病気を治療しようとする
・サプリメントに関する法律があり規制がある
※DSHEA(Dietary Supplement Health and Education Act:ダイエタリー・サプリメント健康教育法)-1994年制定
・サプリメントは「ハーブ、ビタミン、ミネラル、アミノ酸などの栄養成分を1種類以上含む栄養補給のための製品」と定義されている
・サプリメントの効果効能、摂取するタイミング、副作用などを明記する必要がある
日本
・国民皆保険制度(健康保険)があり、治療費は3割負担
・サプリメントは「食品」という位置づけで、食品に含まれているビタミンなど、摂取しても副作用が無いもののことを言う。
・サプリメントを規制する法律は無い。そのため、メーカーに都合の悪い情報が表に出にくい。(薬機法などにより、効果効能を表示や広告することは規制されている)
・サプリメントの効果効能、摂取タイミングなども記載出来ない。

健康保険制度の弱点

健康保険制度は、病気治療の負担を軽減する制度であり、病気の予防(日常の健康管理意識など)の意識が弱くなる。
逆に、アメリカの場合、健康保険制度が無いために、治療を受けるには高額な医療費を負担する必要があり、「病気にならないこと」が重要視されるため、病気の予防意識や、日常の健康管理意識が高く、サプリメントへの需要が高いとされています。

サプリメントと医薬品の境界

日本ではサプリメントは効果効能を表記できません。
ところが、日本でサプリメントとされているものの中には、他国では効果効能を明記された医薬品に分類されていたり、その逆のケースもあります。

例えば、イチョウ葉(ギンコ)エキスと言うサプリメントが日本国内で販売されていますが、ドイツではイチョウ葉エキスは医薬品に分類されているそうです。
また、ラフマ葉は中国では高血圧症の治療薬として認可されていますが、日本ではそのエキスがサプリメントとして販売されています。

また、本来サプリメントはその効果効能を明記することが出来ないはずですが、サプリメントの販売ページなどを見れば、利用者の口コミなどの形で、事実上、効果や効能が記載されており、何らかの効果があることが強く匂わされています。

こうして、サプリメントと医薬品の境界線は非常に曖昧です。
この曖昧さが何を意味するかと言うと、安易にサプリメントに手を出すのは危険な場合もあるということです。

例えば、先ほど紹介したイチョウ葉エキスには、アレルギーを誘引する物質であり「ギンコール酸」という物質が含まれているため、ドイツではギンコール酸の含有量を5ppm以下にすることが法律で定められています。
ところが、日本ではイチョウ葉エキスはサプリメントとして扱われるため、ギンコール酸に関する表示は行われません。
これをむやみに乱用すれば、何らかのアレルギーを引き起こす可能性が考えられます。

サプリメントは効果が無い?

実は、サプリメントの効果は長いこと疑問視されてきました。
その論争に大きな一石を投じる発表が2013年の冬にありました。

アメリカで2013年12月に発表された論文によると、十分な栄養をとっている人にとって、サプリメントは有益であるどころか、むしろ害を与える可能性があるという研究結果が示されています。 その発表では、サプリメントから摂取する栄養素には健康への効果が無い事と、様々な疾患に罹るリスクが増える可能性が指摘されており、エスカレートする健康食品への依存に大きな問題提起となりました。

アメリカでサプリメントがヒットし続ける背景には、アメリカにおけるサプリメントの販売方式や、高額な医療費があるものと考えられます。

アメリカでは、サプリメントは販売前に成分の安全性を確認する必要が無く、製品の品質にはばらつきが大きく、しばしば粗悪なものも存在する場合がありますがその分、医薬品に比べてかなり安価です。
また、所得格差が広がる一方、日本のような健康保険制度が存在せず医療費が高額なため、正式な医薬品より安価な健康食品に日頃から依存せざるを得ない社会的な問題があると考えられます。

サプリメントに効果があるかないかを考える上で、はっきりしている事は、健康補助食品というカテゴリに収まっているものは、効果効能を表示してはならない、という事です。

つまり、広告など利用者や有識者の声という形で、いくらその効果や効能を間接的に巧妙に喧伝することも、厳密にはアウトです。

とは言え、プラシーボ(偽薬効果)を含め、何らかの効果を実感するからこそ、多くの人がサプリメントを愛用するわけですから、健康食品全てが無駄とは言えませんし、最近では一部規制が緩和され、特定の効果・効能を表示できる食品、「特定保健用食品(トクホ)」に指定された食品も登場しており、今後の成り行きに注視したいところです。



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