ノルアドレナリンの効果と作用

Excitement (July 2011)

ノルアドレナリンはストレスに反応して脳内で分泌される神経伝達物質であり、同時に副腎髄質ホルモンでもあります。
ノルアドレナリンの基本的な効果は、交感神経系に作用して、心身の覚醒や興奮と、集中力や判断力、身体能力を向上させることです。

ノルアドレナリンの主な効果と作用

脳を覚醒させる/心拍数を上げる/血圧を上昇させる/消化器官の働きを抑制する/瞳孔を拡大させる/痛覚を鈍くする/判断力を上げる/注意力を上げる/集中力を上げる/筋肉などの機能を高める/記憶力を向上させる/ストレスへの順応/ストレスへの耐性/抗うつ作用/性格を形成する

ノルアドレナリンの分泌はストレスに反応して起こります。
これは元々は、生物が自然界で何らかの危険を察知した時に交感神経系を刺激して、瞬時に様々な状況判断を行いつつ、肉体を効果的に動かすことが出来るようにするための仕組みです。

生命の危機に瀕した時、寝ぼけ眼では生存することはできません。
ストレスを感じてノルアドレナリンが分泌されると、体中に血が巡り脳が一気に覚醒します。
この時、筋肉に酸素や栄養を送るために心拍数血圧は上昇します。
血液が筋肉や脳に集中するため、消化器官の働きは抑制され、排泄している場合ではないので排泄もやはり抑制されます。
また、より多くの情報を取り入れるために瞳孔は拡大します。
多少の傷みで体の動きを止めるわけにはいかないので、痛覚を遮断して痛みに鈍感になります。
敵と相対している場合、その敵と戦うか、逃げるかを判断するため、集中力判断力を向上させ、同時に肉体のパフォーマンスを最大限引き出せるよう、筋肉などの機能が向上します。
また、脅威をいち早く発見するために、注意力も普段より強く働きます。

ストレスへの順応と耐性の効果も

ノルアドレナリンが分泌されてストレスに体が反応する一方で、ストレスが脅威ではないことを学習・認識すると、そのストレスに対して順応するようになります。
拾われてきた猫が最初は怯えていたが、次第に飼い主に慣れていくような感じです。

現代社会では、弱肉強食の自然界で繰り広げられるような「生命の危機」に瀕するような状況には中々遭遇することはありませんが、人々は日々様々なストレスを受けながら過ごしています。

そうしたストレスへもノルアドレナリンは反応しますが、徐々に順応していきます。
例えば、人前でのスピーチで過度の緊張をしてしまうなど、苦手意識を持つものでも、経験を積んでいくうちにストレスに順応していきます。

人は本来、経験したことがないことには躊躇して二の足を踏みがちですが、様々ストレスを経験しストレスへ順応していくことで、未知のストレスへの耐性もつくようになります。

ストレス耐性がつくと、我慢強く何事も率先してリーダーシップを発揮することが出来る様になります。
ノルアドレナリンには安定した性格を形成する『性格形成ホルモン』と言う一面もあるのです。

適度の分泌で抗うつ作用も

ノルアドレナリンはゲームや運動、恋愛などによって適度に分泌されることで人の意欲や向上心、探究心などを刺激して、いわゆる「血気盛んな状態」になります。
つまり、ノルアドレナリンが分泌されることで、「やる気」が生まれているのです。

逆に、ノルアドレナリンが分泌されない、または不足すると、やる気がでない状態、つまり抑うつ状態になります。
ノルアドレナリンが適度に分泌ような生活を送ることで、抑うつや気分の落ち込み、無気力などを抑える抗うつ作用を得ることができます。
ノルアドレナリンに抗うつ作用がある証左として、うつ病によってノルアドレナリンの分泌が滞ったり、ノルアドレナリン神経が上手く働かないときに使用されるうつ病治療薬として、ノルアドレナリン受容体に選択的に作用するSNRIと言うノルアドレナリンの再取り込み阻害薬が使用されます。

ただし過剰な分泌は、感情の暴走に繋がり、すぐにイライラして怒りっぽくなったり、やる気が出すぎて依存症になったりする場合もありますので、注意が必要です。
詳しくは『うつ病とノルアドレナリン』をご覧ください。


このコーナーでは、ノルアドレナリンについての話題を全5ページで紹介しています。
★次のページでは『ノルアドレナリンが不足すると』をご紹介します。

photo credit :Alexandre Normand



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