ノルアドレナリンが不足すると、ストレスに弱くなります。喜怒哀楽の感情のうち、怒と哀の感情がより強く働くようになります。

ノルアドレナリン不足の影響

ストレスに弱くなる/怒りっぽくなる/恐怖心が強い/無気力/無関心/意欲の低下/判断力低下/集中力低下/注意力散漫/ぼーっとする/寝過ぎてしまう/朝起きられない/貧血/低血圧/すぐにくよくよする/抑うつ気分/うつ病など精神疾患

ノルアドレナリンは生物の原始的な生存本能に直結している化学物質であり、いきなりノルアドレナリン不足に陥るような状態は考えにくく、ノルアドレナリンが不足するに至る過程で強いストレスを経験するなど、何らかの原因があるはずです。

また、ノルアドレナリンが不足するような状態は、抑うつ気分が強く現れ、うつ病の症状も現れる可能性が高いため、一刻も早く専門医に相談するなどの行動が必要です。

ノルアドレナリンが不足した生活とは

ノルアドレナリンが不足すると、ほんの些細なことでもイライラして怒りっぽくなったりキレたります。また、ちょっとした失敗やつまづきなどでも、すぐに落ち込んでくよくよしやすくなります。新社会人を迎えた時のような、未知の経験には恐怖心を強く抱くようになります。

新しいことには挑戦しようという意欲がわかず、何事にも無気力で無関心です。集中力や判断力は低下して、いつも頭が重たくて、ぼーっとしてしまい、学校の成績や仕事の成果も悪くなりがちです。 交感神経系が刺激されにくく、覚醒を維持する力が弱いため、昼間でも強い眠気に襲われたり、朝起きられずに長時間寝過ぎてしまうことがあります。

朝起きられない、夜眠れないと言った症状が常態化している場合、起立性調節障害という自律神経失調症の一種を発症している恐れがあります。起立性調節障害は、思春期の子ども、特に女子に起こりやすい病気で、ノルアドレナリンによる交感神経系への刺激が不足することが原因の一つだと考えられています。

こうした自分の意志ではどうすることもできない生活が続くと、次第に抑うつ気分が強くなり、知らず知らずのうちに涙が流れてしまうこともあります。このようなノルアドレナリンが不足した生活を送れば、うつ病などの精神疾患を発症する可能性が高くなります。

ノルアドレナリンが不足する原因はストレスかも

ノルアドレナリンが不足してしまう原因として考えられるのがストレスです。

特に、現代社会で特有の「回避不能な長期間に渡るストレス」、例えば職場や家庭、学校など、他に逃げ場のない環境で毎日、長期間に渡ってストレスを受け続けることで、いつしかノルアドレナリンは不足してしまうのです。

こうした環境を変えることは容易ではありませんが、変えなければいずれ自分が限界に達して耐えられずに爆発するか、抗えずにうつ病などを発症するか、いずれにしても余り良い結果にはならないでしょう。

一人で悩むのが一番良くない

そうした状況に陥った場合、「1人で抱え込まずに相談すること」が一番重要です。家族でも友人でも上司でも先生でも、信頼できる人がいれば相談しましょう。

周りに相談できない場合は、カウンセリングや医師、役所など、第三者に相談する手もありますので、決して一人で抱え込んでしまわないようにしてください。


このコーナーでは、ノルアドレナリンについての話題を全5ページで紹介しています。
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photo credit :Derrick Tyson