加齢臭の対策に重要な「抗酸化物質」とは

加齢臭の対策に効果的な方法のひとつが、体内の抗酸化物質を増やすことです。抗酸化物質は年齢とともに減少してしまうものが多いため、食事やサプリなどで効率的に補う必要があります。

加齢臭とは

加齢臭は40歳前後になると発生する独特の体臭のことで、ノネナールという物質がニオイの原因です。

40歳前後になると体内でノネナールが発生するようになる理由の一つに、人間の体が持つ抗酸化作用が加齢によって損なわれることが挙げられます。そのため、加齢臭を改善するには、体内の抗酸化物質を増やして、抗酸化作用を強化することが有効であると考えられています。

効酸化物質とは

抗酸化物質とは、活性酸素によって細胞が酸化するのを防ぐ働きをする物質の総称です。体内に存在するホルモンや酵素、食事によって取り入れるビタミン類やフラボノイドなど、様々な種類の抗酸化物質が存在します。

抗酸化物質は、脂質やタンパク質が活性酸素と結びついて酸化する前に、抗酸化物質自身が活性酸素に結びつくことで、細胞が酸化するのを防いでいます。

活性酸素とは
活性酸素は細胞を酸化させる力の強い酸素のことで、細胞内の脂質やタンパク質と酸化結合して細胞を変質させてしまいます。また、この酸化する反応は連鎖的に起こるため、細胞内のDNAが大量に損傷してガン化したりする原因にもなります。

この活性酸素が脂質と結合すると過酸化脂質になります。

過酸化脂質とは
過酸化脂質は活性酸素によって脂質が酸化したものの総称です。

人が40歳前後になると、体内で発生する過酸化脂質が増加し、これが体内の各所で老化現象を引き起こします。肌の過酸化脂質が増えればシミやシワに、血管に増えれば動脈硬化に、脳細胞で増えればアルツハイマー型認知症などにつながると考えられています。

また、皮脂成分に含まれる脂質が大量に酸化することで、加齢臭の原因となるノネナールの発生を促進することが明らかになっています。

抗酸化物質は加齢臭を抑える
加齢臭は、40歳前後になって体内に活性酸素や過酸化脂質が増加することで、ニオイが悪化すると考えられています。40歳前後の中年世代で活性酸素などが増加してしまう原因の一つが、体が本来持つ抗酸化力が、加齢によって失われてしまうことにあると考えられています。

このことから、年とともに減少する人の体の抗酸化力を補ってあげることで、加齢臭の発生を抑制することが期待されているのです。

抗酸化物質の種類

抗酸化物質には『水溶性』と『脂溶性』の2種類があり、それぞれ得意とする活動場所が異なります。水溶性の抗酸化物質は、血液中や細胞内部に多く存在し、それらの部位が活性酸素によって酸化するのを防いでいます。

一方、脂溶性の抗酸化物質は、主に細胞膜の脂質が酸化して過酸化脂質になるのを防ぐ働きをするため、加齢臭の原因となる過酸化脂質の発生を抑えるためには、脂溶性の抗酸化物質の存在が重要になると考えられます。

ビタミンE

ビタミンEは脂溶性ビタミンの一種で体内の代表的な抗酸化物質です。

脂溶性のビタミンであるビタミンEは、脂質が活性酸素によって酸化して過酸化脂質に変化するのを抑制する働きがあるため、加齢臭対策では特に重要な抗酸化物質の一つであると考えて良いでしょう。

ビタミンEは食事やサプリからの経口摂取によって増やすことが可能です。通常の食事の場合、不足することが多いので、足りない分はサプリで上手に補うと良いでしょう。

ビタミンC

ビタミンCは代表的な水溶性のビタミンです。ビタミンCには皮膚や血管の老化を防ぎ、免疫力を高める抗酸化作用があります。

ビタミンCは水溶性のビタミンであるため、脂質が酸化することを直接防ぐことはできませんが、血液中などにある活性酸素と結びつくことで、脂質と結びつく活性酸素の総量を減らす効果が期待できます。

また、ビタミンCは、「活性酸素と結合して酸化したビタミンE」を還元(酸化した状態から元の状態に中和すること)してくれるため、ビタミンEが脂質が酸化するのを防ぐことを手助けしてくれる働きもあるため、ビタミンCも加齢臭を防ぐ抗酸化物質として有効な一つといえます。

ビタミンCは経口摂取しても体内に吸収されにくい物質で、食事や飲料、サプリなどで摂取してもあまり大きな効果はないとされています。がん治療や美容目的では、点滴によってビタミンCを血液に直接注入することがあります。また、海外ではリポゾームという、体内にビタミンCを吸収しやすい特殊な膜に覆われた形態にしたカプセルも販売されています。

その他の抗酸化物質

ビタミンEやビタミンC以外にも様々な種類の抗酸化物質があります。

グルタチオン
グルタチオンは、システインなど3種のアミノ酸から合成される物質で、脂質と過酸化酸素が反応して酸化するのを防止する作用があり、過酸化脂質の発生を抑制してくれる物質であるため、加齢臭の対策に効果的な物質であるといえます。

グルタチオンはアミノ酸から合成される物質なので、体内で自己合成されますが、実は年齢によって合成量が減少してしまうことが分かっており、不足分は食事やサプリによって補う必要がありますが、グルタチオンをそのまま経口摂取しても体内に吸収される前に分配されてしまうため、グルタチオンの原料であるアミノ酸をサプリなどで補給するのが有効であると考えられています。

ビタミンA(レチノール)
ビタミンAは脂溶性ビタミンの一種です。脂質の酸化を防ぐことから、過酸化脂質の発生を抑えてくれる効果が期待できます。ビタミンAはβカロテンが小腸で分解されて生じる物質です。

βカロテン
βカロテンはカロテノイドの一種です。βカロテンは小腸でビタミンAに変換されるため、ビタミンAの前駆体といえます。βカロテンそのものは、しみやそばかすの予防、ニキビ対策など高い美容効果が見込めます。動脈硬化、心臓病、黄斑変性症、夜盲症、成長障害などの予防にも効果があると考えられています。

ビタミンB群
ビタミンB群は水溶性のビタミンで、ビタミンB1、B2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチンの総称です。この8つのビタミンはそれぞれ性質は異なりますが、うまく結びつき体に良い相乗効果をもたらします。また三大栄養素(たんぱく質、脂肪、炭水化物)の代謝やエネルギーの生成を補助し、細胞へのエネルギー供給をサポートしています。

▼柿タンニン
柿タンニンは、渋柿の果汁などに含まれる苦味成分で、ポリフェノールの一種です。消臭、防臭、防腐、殺菌作用などに優れており、加齢臭の対策グッズとしても特に人気が高い成分です。

アントシアニン
アントシアニンはポリフェノールの一種です。目に良く、眼病予防や視力の改善などの効果があります。またメタボや花粉症の予防にも効果があります。アントシアニンが豊富な食材は、ブルーベリー、ナス、紫いも、赤ワイン、黒豆があります。

アスタキサンチン
アスタキサンチンは人体では合成できない物質で、カニやエビなど甲殻類に含まれています。アスタキサンチンそのものは赤色の天然色素のことで、赤色の甲殻類に多く含まれています

イソフラボン
イソフラボンは大豆胚芽に多く含まれるフラボノイドの一種です。女性ホルモンに似た機能をもち、更年期障害、自律神経の安定などに効果があると言われています。イソフラボンが豊富な食材は、納豆、豆腐、みそ、きなこ、豆乳などの大豆製品があげられます。

カテキン
カテキン緑茶に含まれている渋味の主成分で、ポリフェノールの一種です。メタボや感染症症の予防や、虫歯・口臭の予防にも効果があります。カテキンが豊富な食材は、緑茶、りんこ、ソラマメ、サクランボ、ブドウ、ナシなどがあります。

ケルセチン
ケルセチンはポリフェノールの一種です。血流改善の効果があり、動脈硬化予防やコレステロール・血圧上昇を抑制する効果が報告されています。ケルセチンが豊富な食材は、たまねぎ、セロリ、レタス、ブロッコリー、リンゴなどがあります。

ルチン
ルチンはポリフェノールの一種です。毛細血管の強化や内出血を防ぎ働きをしています。また糖尿病、認知症、心疾患などの予防にも効果があるそうです。ルチンが豊富な食材は、蕎麦(そば)です。

クロロゲン酸
クロロゲン酸はポリフェノールの一種です。抗酸化作用以外に、脂肪の蓄積を抑制する効果があるそうです。脂肪肝・糖尿病の予防、さらにダイエットにも効果があります。クロロゲン酸が豊富な食材は、コーヒー、こぼう、なすなどがあります。

エラグ酸
エラグ酸は天然のポリフェノールの一種です。がんの発生を抑える効果があるとして有名です。また、美白にも効果あり、アンチエイジングにも効果があるとされています。エラグ酸が豊富な食材は、イチゴ、ブルーベリー、ラズベリー、ザクロ、ナッツ類などがあります。

セサミン
セサミンはごまに含まれる成分です。肝機能を高めるため、二日酔いなどに効果があります。またアンチエイジングにも効果があり、がんの予防にも効果があるとされています。セサミンが豊富な食材は、胡麻(ごま)です。

クルクミン
クルクミンはウコンなどに含まれる成分で、ポリフェノールの一種です。セサミン同様に肝機能を高めるため、二日酔いなどに効果があります。また美白効果、がん予防にも効果があるとされています。クルクミンが豊富な食材は、ウコン、カレー粉、しょうがなどがあります。

リコピン
リコピンはカロテノイドの一種です。リコピンは悪玉コレステロールの酸化を防ぎ、血糖値の上昇を抑える効果があるそうです。また、動脈硬化、がんの予防やメタボ対策、美肌効果などにも効果が見込めるそうです。リコピンが豊富な食材は、トマト、スカイ、ピンクグレープフルーツがあります。

ルテイン
ルテインはカロテノイドの一種です。白内障、緑内障、加齢黄班変性などの眼病予防に効果があるとされています。ルテインが豊富な食材は、ケール、ほうれん草、にんじん、かぼちゃ、とうもろこし、ブロッコリーがあります

フコキサンチン
フコキサンチンはカロテノイドの一種です。メタボ予防や糖尿病の予防に効果あるとされています。フコキサンチンが豊富な食材は、コンブ、ヒジキ、ワカメなどの海藻類です。

スーパーオキシドディスムターゼ

スーパーオキシドディスムターゼ(Superoxide dismutase,SOD)とは、活性酸素を分解する働きをする「酵素」のことです。SODは、過酸化酸素の中でも、特に毒性の強い種を無毒化する働きをしており、抗酸化物質の中でも重要な役割を果たしている物質の一つと言えます。

体内で生成されるSODは40歳前後になると急激に減少していくため、SODの減少が加齢臭の発生にも関係していると考えられます。

SODにはいくつかの種類があり、いずれの種類も構成材料に銅や亜鉛などのミネラル類を含んでいるため、食事などでミネラル類を補給することでSODの抗酸化力を保つことが期待されます。また、SODの材料を豊富に含む食材として、明日葉やルイボスなどがありますが、これらは一般的な食材ではないため、サプリなどでSODの材料を補給するのが現実的です。

メラトニンの抗酸化作用

メラトニンは人の体内で合成されるホルモンです。メラトニンは睡眠を促す睡眠ホルモンとして知られていますが、同時に、強い抗酸化作用を持つ抗酸化物質の一つでもあります。ビタミンEやビタミンCが脂溶性や水溶性の性質で、いずれかにしか馴染まないのに対して、メラトニンは水にも脂にも溶けやすい性質を持ち、細胞内の活性酸素を広く除去する働きを持ちます。

体内でのメラトニンの合成量も、加齢とともに減少する性質があり、メラトニンの合成量の減少が加齢臭の発生に関係していることも考えられます。また、メラトニンは、神経伝達物質であるセロトニンから合成される物質であるため、セロトニンが不足することでメラトニンが不足する場合もあります。

メラトニン不足は一般的には不眠症状や抑うつ症状を引き起こしますが、メラトニンによる抗酸化作用が失われることによって起こる症状の一つとして加齢臭のような体臭の悪化が起こることも考えられます。

photo credit :Martin Cathrae



author :

★参考になったと思ったら是非ソーシャルメディアでシェアしてください!