ノネナールを生み出す「9-ヘキサデセン酸」とは

9-ヘキサデセン酸(hexadecenoic acid)は不飽和脂肪酸の一種です。「9-ヘキサデセン酸」とは、IUPAC命名法による系統的名称で、慣用名(一般的な呼ばれ方)では「パルミトレイン酸(Palmitoleic acid)」と呼ばれ、両者は同じ脂肪酸のことを指します。加齢臭を発生させる『ノネナール』の材料の一つであると考えられています。

9-ヘキサデセン酸の特徴

9-ヘキサデセン酸は肝臓に多く存在し、パルミチン酸から不飽和酵素の働きによって生合成されます。また、インスリンに対する感受性を高める(効き目を高める)作用があると考えられており、これが体重へ影響して肥満を抑制する可能性があると考えられています。

9-ヘキサデセン酸とパルミトレイン酸の違い

ノネナールの発生源となる9-ヘキサデセン酸はパルミトレイン酸と呼ばれることもあります。この二つの物質に成分的な違いはありません。文部科学省の食品データベースによると、脂肪酸の名称にはIUPAC(International Union of Pure and Applied Chemistry)命名法による系統的名称慣用名があり、「9-ヘキサデセン酸」とは、系統名(分子の結合など科学的な呼び方)による名称であり、パルミトレイン酸とは、より一般的な慣用名のことを指します。

例えば、スーパーに並ぶ植物油などに記載されている、オレイン酸とかリノール酸が慣用名です。オレイン酸の系統名は「オクタデセン酸」、リノール酸の系統名は「オクタデカジエン酸」となります。系統名は難しく覚えにくいので、慣用名を使うのが一般的なのです。

参考:文部科学省食品データベース-「脂肪酸

加齢臭の原因物質の一つ

9-ヘキサデセン酸は、加齢臭の原因物質であるノネナールを発生させる材料であると考えられています。

9-ヘキサデセン酸→ノネナール→加齢臭発生

9-ヘキサデセン酸そのものは無臭ですが、9-ヘキサデセン酸が皮脂として皮膚表面に分泌されると、皮膚表面にいる常在菌によって食べられて分解されます。

皮膚常在菌には、「悪いニオイを生みにくい善玉菌」と「悪いニオイを生む悪玉菌」がおり、悪玉菌に9-ヘキサデセン酸が食べられるとノネナールやアンモニアのように悪臭を放つ物質へと分解されてしまいます。

9-ヘキサデセン酸がノネナールへと分解されるもう一つの経路が『過酸化脂質』です。過酸化脂質は、コレステロールや中性脂肪(皮下脂肪や内臓脂肪の総称)が活性酸素によって酸化した物質のことで、人体に有害な物質であるとされています。

9-ヘキサデセン酸と過酸化脂質が結びつき酸化することで、ノネナールを発生させて加齢臭を悪化させます。

9-ヘキサデセン酸を減らすには

加齢臭の原因となる9-ヘキサデセン酸を減らすには、9-ヘキサデセン酸を合成するおおもとになっている、体内の中性脂肪を減らすことが重要です。

人は一般的に歳を取ることで新陳代謝が低下していくため、中性脂肪を溜めやすくなり、これが加齢によって皮脂から9-ヘキサデセン酸の分泌が増えて加齢臭が発生する要因の一つになっていると考えられます。

したがって、中性脂肪を減らすことで9-ヘキサデセン酸の分泌量が減少してノネナールの産生が減り、加齢臭そのものを改善する効果が期待できるのです。

中性脂肪を減らすには、運動をする、食生活の改善、禁酒、禁煙、睡眠をしっかり取るなど、生活習慣の見直しが欠かせません。

photo credit: Faber_32 Hexagons (license)



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