起立性調節障害になりやすい子どもの特徴

起立性調節障害は思春期の子どもに起こりやすい、自律神経系の乱れからくる、自律神経失調症の一種です。起立性調節障害を発症する子どもには、ある一定の傾向があります。主な特徴を9つに分けてご紹介します。

朝寝坊が多く学校を休みがち

起立性調節障害の子どもの場合、自律神経系を支配する『体内時計』が狂っていることがあります。体内時計は、その人の生活リズムに依存して形成され、自律神経系の働きも、体内時計の影響を受けます。

体内時計が狂うと、本来は毎朝起きるときに働くはずの、交感神経系が働きにくくなるため、とにかく朝が苦手で、起きるのに時間がかかって、二度寝したり寝坊が多くなります。

また交感神経系の働きが鈍い午前中は、体を起こすと貧血になったりめまい立ちくらみを特に起こしやすいため、体調も悪く、学校を休んだり遅刻しがちになる傾向があります。

このとき注意したいのが、学校を休んだり遅刻するのは、本人の意志によるものでないという点です。起立性調節障害の場合、本人が休みたくて学校をズル休みしているわけではなく、例え「行きたい」という気持ちがあったとしても、病気のせいで起きることが出来ないのです。

夜更かし気味

通常、思春期の子どもといえば、放っておいても夜9時ごろには眠たくなって眠ってしまうものですが、起立性調節障害の子どもは大人並みに、深夜を過ぎても起きたまま、夜更かししてしまう傾向があります。

夜なかなか眠れないのは、朝起きられないのと同じように、体内時計が狂うことで、自律神経系のうち副交感神経系が夜になっても働きが弱いためです。

平熱が低い

人の体温には生活リズムに合わせて、一日の中で規則的な変化があります。典型的な人の体温変化は朝起きる直前に最も高く、夜眠る前に急激に低下して、早朝に最低になります。

起立性調節障害の場合、自律神経系のバランスに乱れが生じていることから、交感神経系や副交感神経系が本来働くべきときにうまく働かないため、平熱が低くなりやすく、平熱が『低体温』と言われる36度未満になる傾向があります。

風邪を引きやすい

自律神経系が乱れると体温が低くなりやすい傾向があります。一般的に体温が1度下がるだけで30%の免疫力が失われると言われています。そのため、低体温傾向のある起立性調節障害では風邪やインフルエンザへの抵抗力が下がり、風邪を引きやすくなります。

猫背で姿勢が悪い

体の姿勢を支えるのは、『抗重力筋』という筋肉です。この抗重力筋は、自律神経系のうち交感神経系への刺激によって働きが活性化する、セロトニンという神経伝達物質によって機能が維持されています。

起立性調節障害によって交感神経系の働きが弱くなると、その分抗重力筋を支配するセロトニンの働きも衰えやすくなるため、起きている時でも姿勢は前傾姿勢で、猫背になりやすくなります。

抗重力筋は、血圧を調節する働きもあるため、セロトニンが不足したり、働きが衰えて抗重力筋への作用が減ると、抗重力筋が担っている血圧調節もうまく働かなくなり、これも起立性調節障害特有の、起き上がったときの低血圧、貧血、立ちくらみやめまいの発生の原因の一つになっていると考えられます。

表情が暗い、口が開いている

顔の表情筋や下顎の筋肉も抗重力筋の一種です。交感神経系の働きが弱くなることで、セロトニンの働きが悪くなると、顔の表情は暗くなり、皮膚はたるんでいわゆる『ブルドック顔』になり、口は無意識に閉じ続けることができず、開いたまま口呼吸をしがちです。

また、起立性調節障害の精神的な要因である、何らかストレスやトラブルを抱えている場合も、暗い表情などにサインが現れるケースもありますので、子どもの微妙な変化には気づいてあげたいところです。

尚、口が開いたままいると、口から病原菌やウイルスが入りやすくなるため、これも風邪を引きやすくなる原因の一つに数えられます。

痩せている

痩せ型の子どもは、どうしても筋肉量が不足しがちです。下半身の筋肉量が不足すると、起き上がったときに下半身に溜まった血液を、上半身にある脳や心臓へと送り返すポンプ機能が不十分であるために、起立性調節障害の身体的な原因となります。

また、筋肉は体の熱産生に大きく寄与するため、痩せて筋肉が少ないと、低体温になりやすく、ここから自律神経系の乱れが生じる原因ともなります。

運動が苦手

運動が苦手な場合、痩せ型の子どもと同じく、筋肉量が不足しやすいため下半身のポンプ機能が弱くなりやすく、起立性調節障害を起こしやすくなります。

また、運動は自律神経系のうち、交感神経系を刺激するシグナルですので、運動が苦手なため忌避していると、その分、交感神経系への刺激が少なくなって、自律神経系の発達が遅れてしまうことも起立性調節障害を起こしやすい原因として考えられます。

引っ込み思案でおとなしい

起立性調節障害を起こしやすい子どもの性格的な特徴として、引っ込み思案でおとなしい、内向的な子どもが多いと言われます。

思春期の子どもが起立性調節障害を起こす大きな原因の一つはストレスです。思春期には心や体に大きな変化があり、今までの生活では生じなかった様々なストレスが発生します。

引っ込み思案な子どもは、自分がストレスを感じても、それをなかなか周りに伝えることができず、ストレスを抱え込んでしまいがちです。ストレスを抱え込むことが、さらなるストレスとなり、こうして溜まったストレスが、やがて心身のバランスを大きく乱す原因となってしまうのです。

まとめ

現代の中学生のおよそ10%は起立性調節障害を抱えていると推測されており、起立性調節障害は決して珍しい病気ではありません。

今回起立性調節障害として取り上げた特徴が当てはまっていれば必ず起立性調節障害である、とは言えませんが、めまいや立ちくらみ、低血圧、貧血などの起立性調節障害の代表的な症状と、ご紹介した特徴のいくつかが同時に当てはまる場合は、その可能性が非常に高くなりますので、お早めに専門医へご相談ください。

また、これらの特徴は大人にも当てはまるものです。大人の人でも、自分の生活習慣や体調のうちで、思い当たることや当てはまることがある場合は、起立性調節障害を疑ってみてください。

photo credit: Milly’s Personality (license)



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