鼻呼吸と口呼吸

皆さんは鼻と口、普段どちらで呼吸をしますか?あまり意識して呼吸をする人は多くないと思いますが、これには意外な落とし穴があるということがわかってきました。猿などの霊長類を含む哺乳類は鼻だけで呼吸しているそうで、その中で、人間だけが口と鼻の両方で呼吸をするんだそうで、口で呼吸すると色々と健康に悪影響があるというのです。

口は本来呼吸をするための器官ではない

人間が口で呼吸が出来るようになったのは、人間が言葉を話せる事と密接な関係があるとされています。
しかし、鼻と口それぞれの器官が、『鼻は酸素を取り入れる呼吸器』、『口は物を食べる消化器』であるということは、人間が進化して言葉を話すようになった今でも変わりありません。

つまり、人は本来は呼吸をするための器官ではない口で呼吸を出来てしまっている、ということと、そのことにより、健康に様々な悪影響があるということです。

口呼吸する人の割合が増えてきている

それでも、割合的には、昔の人は鼻呼吸を出来ていた人が多かったようなのですが、近年は口呼吸をする人の割合が増え、それと同時に、元々純粋な呼吸器ではない口で呼吸することにより健康に様々な悪影響や弊害が増えつつあると言われています。

現代人で花粉症が爆発的に増えたのも、口呼吸の割合が増えた事に関係があると言われていますし、口呼吸をすることで、睡眠の質が悪くなったり、虫歯や歯周病、果ては老化の原因になるとさえ言われています。

自然な呼吸は鼻呼吸。口呼吸は悪いことだらけ?

哺乳類は、本来は鼻呼吸することで、吸った空気に湿気を与え、鼻毛や鼻の粘液などでホコリや雑菌をからめとり、いわば鼻というフィルターを一度通してから口腔や肺へ空気を送っていました。
ところが、口から空気を吸うとそうしたフィルターが無く、汚れた空気やホコリ、アレルギー物質、ばい菌やウィルスなどがダイレクトで喉を通過してしまうのです。

口呼吸による悪影響の一例

  • 虫歯や口内炎になりやすい
    口で呼吸すると、口の中が乾いた状態になりやすいため、細菌が繁殖しやすくなり、虫歯や歯周病・歯肉炎・口内炎などになりやすい。
  • 口臭が増す
    口呼吸で唾液の分泌が減り、細菌が繁殖しやすく口臭がきつくなる原因になります。
  • 免疫力が低下する
    口から直接空気を取り込むと、空気中のチリやほこりと一緒にばい菌やウィルス、アレルギー物質が直接体内に入り込んでしまいます。
  • イビキをかきやすい
    口で呼吸すると、舌根がのどに落ち込みやすくなり気道が狭くなります。睡眠時には気道が狭まったことが原因でイビキをかきやすくなるばかりか、 眠りが浅くなって、眠りの質が低下したり、ひどくなると睡眠時無呼吸症候群の原因にもなります。
  • 老化の原因になる
    顔のたるみやしわ、肌荒れになりやすいとされます。
    口で呼吸をする理由の一つに、「楽だから」というのがあります。鼻呼吸より楽だということは、つまり筋肉をあまり使わずに呼吸をしているということです。口呼吸だと表情筋など、顔の筋肉が使われずに、顔がたるんだり、しわができやすくなってしまうのです。参考:顔の暗さや老け顔はセロトニン不足が原因の場合も
    また、免疫力が低下することで、肌荒れの原因にもなります。
  • 見た目が悪い
    口で呼吸することが習慣化していると、顔の筋肉が弱いために、口を閉じ続けることが出来ません。
    口で呼吸をしている人を見ると、なんとなく口の締まりが悪く、口がポカーンと開いている人が多いですね。
    これでは見た目の印象が悪いので改善したいものですね。

日本人は特に口呼吸が多い

欧米に比べ、日本人には口呼吸をする人の割合が多いとされています。
そこには意外な理由がありました。

乳児期の子育て方法にその理由があると言うのです。

・離乳食を与える時期が早過ぎる
最近は見直される傾向にもあるようですが、日本では離乳食を与える時期が早く、6~8ヶ月程度から与えることもあり、乳児はその過程で口呼吸を覚えてしまうとされています。
・おしゃぶりを取り上げるのが早過ぎる
おしゃぶりを1歳前後でやめてしまうので、口で呼吸してしまう。欧米では3歳前後までおしゃぶりを使うことが多いと言われている。
・固い食べ物を噛まなくなった
昔に比べて固いものを噛まなくなったため、アゴが小さく未発達な人が増えた。その結果、筋肉も発達せず、口が開いてしまう。

おとなになってからでも、アレルギー性鼻炎などを患い、鼻で呼吸ができなくなることもしばしばありますが、多くは乳幼児期の成長過程に、その原因があるとされているのです。

セロトニンが不足すると口呼吸になりやすい

セロトニンは脳内で神経を伝達する物質で、姿勢筋や抗重力筋、顔の表情筋などに作用しています。
セロトニンが不足すると、こうした筋肉への作用が損なわれるため、姿勢が悪くなって猫背になりやすくなったり、無意識に顔の表情がたるみやすくなったり、口が開きっぱなしになって、口呼吸になりやすくなってしまいます。

また、セロトニンは気道の呼吸筋にも作用しており、睡眠時無呼吸症候群(SAS)とも関わりがあります。

口呼吸の直し方

口で呼吸することは、あまり良いことがなさそうです。
とは言え、人は自律神経系の働きにより、普段は無意識に呼吸しています。

誰でも意識すれば鼻で呼吸することは出来ますが、無意識の時の呼吸を鼻呼吸にすることが出来なければ意味がありません。
特に睡眠時などは、意識して呼吸することが不可能です。
普段、無意識時に口呼吸をしているの人が無意識で鼻呼吸出来るように切り替えるにはどうしたら良いのでしょう?



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