ホルモンは、体内の特定の器官で作られ、特定の器官に作用する情報伝達物質です。
※この記事でご紹介するのは焼肉のホルモンとは関係ありません。
(焼肉のホルモンは関西弁で「放おるもん(不要な部分)」という意味だそうです)

ホルモンには、ペプチド、ポリペプチド・アミン・カテコールアミン・ステロイドなど様々な種類があり、人の行動や感情(運動や食事、怒りや悲しみなど)に反応して分泌されるもの、外部からの刺激(痛みや光など)に反応して分泌されるものなど、分泌のされ方も色々ありますが、いずれのホルモンも何らかの目的や役割を持って分泌され、特定の標的器官に作用します。

例えば、ストレスを受けると、それに反応して副腎皮質でホルモンが作られ、血圧を上げて、体を緊張状態にします。
逆に好きな音楽を聞くと、セロトニンオキシトシンといったホルモンが出て、心身をリラックスさせたり、幸福を感じるような働きがあります。

ホルモンの働き

ホルモンの働きは、通常の栄養分とは異なります。
車に例えると、糖分などの栄養分がガソリンだとすれば、ホルモンは車の働きを潤滑にするエンジンオイルのようなものだと言えるのではないでしょうか。

汗など、体外に分泌されるものとの対比から、ホルモンは内分泌系と言われます。
また、ホルモンを分泌する器官を内分泌器官と言います。
ホルモンを分泌する器官は体内に様々あります。
(脳内の組織、内蔵、消化管、皮下組織など)

ホルモンは私たちの生活にどう影響するでしょうか。
ホルモンは上でも紹介したように、人の行動や感情に影響されて分泌されるものがあります。また、外部からの刺激にも反応します。
ホルモンの分泌は、もともと非常に少量で、分泌のバランスがほんのちょっと崩れるだけで、病気になることもあります。

ホルモンの分泌がうつ病の原因に?

一例として、上で紹介したストレスを受けた時に副腎皮質から分泌されるホルモン(アドレナリンやコルチゾールなど)は、その働きの大元をたどると、人が大昔に原野で生活していた頃、獣などにとっさに襲われた時に、素早く動けるようにするために分泌されていたものだと考えられています。

私たちの日常生活には動物から襲われる脅威はありませんが、会社や学校など、社会には多くのストレスがついて回ります。

ストレスに常にさらされると、ストレスに反応して副腎皮質からホルモンが分泌し続け、一説には副腎皮質ホルモンであるコルチゾールは脳の神経細胞を破壊し、そのことがうつ病の原因になるも言われています。

こうしたコルチゾールの悪影響を防ぐ仕組みも備わっています。コルチゾールと同じく副腎から分泌されるDHEAというホルモンは、コルチゾールによる体の酸化や細胞の破壊、血糖値の上昇などを抑制し、ストレスから体を守ってくれるホルモンです。

ホルモンの分泌が減って太りやすくなる?

別例として、例えば睡眠時間が減ると、胃から出る食欲増進ホルモン『グレリン』の分泌量が増える一方、脂肪細胞から放出される食欲を抑える『レプチン』というホルモンが減ることがわかってきました。
つまり、睡眠時間が減ることで食欲が増し、太りやすくなる可能性があると言えるのです。
逆に、これをうまく利用して、睡眠をしっかり取ることはダイエットにも効果があると言えます。

このように、体にとって良い影響も悪い影響もあるホルモンを知ること、さらにはその分泌を上手に操ることで、現代社会を快適に暮らせるのではないかと思います。