タバコで加齢臭が悪化してしまう理由

タバコが肺ガンや心筋梗塞、脳梗塞など生命に関わる重大な病気を引き起こすリスクを高めることは周知の事実ですが、近年では「スメハラ」という言葉が台頭し、タバコのニオイそのものが忌避される世の中です。喫煙は、同じくニオイの問題である加齢臭の発生にも深い関係があります。タバコによって増加する活性酸素が加齢臭の発生に大きく影響しているのです。

タバコで増える活性酸素で加齢臭が悪化する

タバコの煙に含まれる有害物質は200種類以上もあるとされ、代表的な有害物質である『タール』には発がん性があるとも言われています。

加齢臭を悪化させる原因ともなる活性酸素ですが、本来はタールのような有害な物質を体から除去するために発生する物質でもあり、体の免疫機能としての働きを担う物質である、という側面もあります。

しかし、活性酸素には『ラジカル反応』という連鎖反応を起こして、連鎖的に酸化物質を増加させてしまう性質があります。

ひとたび活性酸素が体が持つ抗酸化力以上に増えてしまうと体内で連鎖的に増加して、細胞を変質させてガン化させたり、脂肪酸を酸化させて、加齢臭悪化の一因でもある『過酸化脂質』を作り出してしまうなど、終いには活性酸素そのものも有害化してしまうのです。ミイラ取りがミイラです。

タバコを吸えば吸うほど体内にはタールのような有害物質が入り、それを除去するために活性酸素がどんどん増加してしまうため、タバコを吸い続けると体は活性酸素まみれになって、加齢臭が悪化する温床と化してしまうのです。

こうしたタバコによる影響は、喫煙者本人はもとより副流煙による受動喫煙でも活性酸素を増加させる原因となりますのでご注意下さい。

活性酸素が加齢臭を悪化させる理由

活性酸素は加齢臭の原因物質である『ノネナール』の発生に深い関わりを持ちます。

加齢臭の原因となるノネナールは、『パルミトレイン酸』という皮脂に含まれる脂肪酸が、活性酸素により酸化されたり、過酸化脂質や皮膚常在菌により酸化・分解される過程で発生するため、活性酸素との関わりはとても深いのです。

タバコに含まれる「アセトアルデヒド」で加齢臭が悪化する

タバコに含まれる有害物質の一つである「アセトアルデヒド」と言う物質も加齢臭悪化の原因になります。アセトアルデヒドは、アルコールを分解する過程で生じる『二日酔いの原因物質』として知られていますが、タバコの煙にも含まれる物質です。

アセトアルデヒドは加齢臭の原因物質であるノネナールと同じく「アルデヒド」の一種であり、独特な臭気と刺激臭を放つ物質です。

タバコが体臭を悪化させるという点で特にたちが悪いのは、アセトアルデヒドのような有害物質が肺の粘膜から直接血中に吸収されてしまうことです。アセトアルデヒドのようにイヤなニオイを放つ物質が血中に入ると、皮膚上から漏れ出して、これが体臭を悪化させる原因となってしまうのです。

加齢臭を含む人の体臭は、様々な臭気が混じり合うことで、より強力な臭気を放つため、アセトアルデヒドによるイヤなニオイは、加齢臭の悪化をますます助長する原因となってしまうのです。

アセトアルデヒド以外にも、ニコチンや酢酸、フェノール、クレゾール、アンモニアなど、タバコの煙には実に様々な臭気成分が含まれており、まさに悪臭の総合デパートです。

ニコチンが自律神経系を乱す

ニコチンは、毒性のある物質ですから、タバコを吸ってニコチンが体内に入ると、それに対して活性酸素が増加して、加齢臭の悪化につながります。ニコチンと加齢臭の関係はこれだけではありません。

ニコチンはタバコの依存性を司る物質として知られており、タバコを吸ったときに得られる満足感は、体内に吸収された受容体が、アセチルコリン受容体に結合することで、脳内のドーパミン神経を刺激し、それが満足感につながるためです。

詳しくは『アセチルコリンとタバコ』をご覧ください。

ニコチンが加齢臭を悪化させてしまう原因の一つは、ニコチンが自律神経系の働きを乱すことにあります。ニコチンは本来自然な生活リズムの中で働いている自律神経系を強制的に刺激するため、自律神経系はそうした刺激によってバランスを崩しやすくなります。

喫煙習慣を長期間続けることで、もはや体が自律神経系のON・OFFをスイッチすることができなくなり、ニコチンによってON・OFF、つまり、朝起きて脳を覚醒させるのにも目覚めのタバコが必要、と言った状態になってしまうのです。

このような自律神経系の乱れにより、ホルモンの分泌バランスが乱れて、加齢臭のもとのなる皮脂を過剰に分泌させたり、異常に発汗しやすくなるなど、加齢臭を悪化させる原因を作ってしまうのです。

一酸化炭素で活性酸素がさらに増加

タバコを吸うと大量の一酸化炭素が発生します。

一酸化炭素は血管内の酸素運搬物質であるヘモグロビンと結びつきやすく、一酸化炭素がヘモグロビンと結びつくことで、酸素がヘモグロビンに結合できなくなり、酸素が体中に行き渡りにくくなります。

すると細胞では酸素不足が起こり、細胞が酸欠を起こします。末梢の血管は縮小し血圧が上昇、血管壁は傷つきやすくなり、傷ついた血管壁にコレステロールが溜まりやすくなるため、動脈硬化が発生しやすくなります。

一酸化炭素は血管に対して与える害が大きいことは知られています。そして、有害性を持つ一酸化炭素を除去するために、活性酸素が発生しやすくなります。タバコを長年吸い続ければ、体内で過酸化脂質が増えるなどして、加齢臭が出やすい体質になっていくことが考えられます。

タバコで抗酸化物質が減少してしまう

喫煙によって体内に様々な有害物質が入ることで、活性酸素が大量に発生してしまいます。活性酸素を除去するために体内で働く重要な抗酸化物質の一つである『ビタミンC』が動員され、大量に消費されます。

ビタミンCは皮膚や血管を酸化から守ってくれる抗酸化物質ですが、喫煙することで体内のビタミンCは消費されて、不足しがちになり、血管が傷つきやすくなったり、皮膚が酸化しやすくなるなどの悪影響が生じます。

また、活性酸素を無害化する過程で、ビタミンCそのものが酸化するため、ビタミンEなどの別の抗酸化物質で酸化したビタミンCをさらに無害化するという工程が生じ、最終的には水などになって排出されます。

ただでさえ、体の持つ抗酸化力は加齢によって失われがちです。

喫煙で大量に活性酸素が生じることで、ビタミンC以外にも様々な抗酸化物質が消費されてしまい、抗酸化作用が低下した体は、加齢臭の原因になるノネナールがますます発生しやすくなってしまいます。

まとめ

時代の流れもあり、現代社会ではタバコは文字通り煙たがらる存在となりました。

加齢臭を悪化させてしまう根源である活性酸素。タバコには体内で活性酸素を大量発生させてしまう物質がてんこ盛りです。

また、発生した活性酸素を除去するために抗酸化物質が大量に消費されてしまうため、タバコを一本吸うだけで体の持つ抗酸化力はどんどんと衰えていってしまいます。これでは、いくら食事や生活習慣に気を使っていても、加齢臭の改善は夢のまた夢です。

今は薬で禁煙をすることも比較的容易になりましたので、加齢臭の対策は、まずは禁煙から始めることをお勧めいたします。

photocredit:zub4ik



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