アセチルコリンとは – 記憶力や学習力、集中力、発汗などに関与

アセチルコリン(Acetylcholine,ACh)とは、副交感神経系や運動神経の末端から放出される神経伝達物質です。運動機能を司る骨格筋や心筋、内臓筋などに働いて、それぞれの筋肉を収縮させたり興奮させます。また、記憶や認知などを司る脳の海馬の働き、血圧、脈拍、睡眠などにも関与しています。

アセチルコリンの主な働きや作用

アセチルコリンの主な働きは、自律神経系への作用、運動神経系への作用、血圧や脈拍、記憶、認知、学習、睡眠や覚醒などへの作用、と多岐に渡り、体内で働く神経伝達物質の中でも特に重要な物質の一つです。

  • 副交感神経を刺激する
  • 血圧の低下
  • 脈拍を減少させる
  • 唾液の産生を促し、消化機能を亢進させる
  • 瞳孔の縮小
  • 発汗
  • 内蔵機能への関与
  • 排泄、排尿への作用
  • 運動神経では骨格筋を興奮させる
  • 記憶、認知、学習機能への働き
  • 睡眠と覚醒

アセチルコリンは自律神経系のうち、特に副交感神経系を刺激する作用があり、代謝の下降、心拍数と脈拍の現象、血圧の下降、消化と排尿の促進、瞳孔の縮小などの作用を及ぼします。

アセチルコリンはドーパミンとともに運動機能の制御をしていて、運動神経の刺激を末端の筋肉に伝達して、筋肉を収縮させる働きをしています。

意欲や記憶の形成にも関わる海馬の働きにも関与しています。

アセチルコリンの濃度が低下すると運動障害が起こるほか、脳内でのアセチルコリンの減少とアルツハイマー病の関係を調べる研究が進められています。また、脳内でドーパミンが減少することによってアセチルコリンが相対的に増加すると、パーキンソン病の症状が現れるとされています。

アセチルコリンは体内の臓器(血管、消化器官、気管支、肝臓、すい臓など)や自律神経系に広く関与しているため、一部の薬剤などでその働きが阻害されると、臓器や自律神経系の、特に副交感神経系の働きに様々な悪影響が現れます。

代表的な影響として、口の渇き、吐き気、排尿が困難になる、便秘になる、目が乾く(ドライアイ)、発汗の抑制、動悸、眼圧の上昇、などが挙げられます。

運動神経への作用

アセチルコリンとは、ドーパミンと共に運動神経に深い関わりがある物質です。ドーパミンは大脳基底核という脳の中心部(上流)で、アセチルコリンは運動神経の末端(下流)でそれぞれ働きます。

脳の中心部(上流)から体の運動神経末端(下流)、つまり脳の中心部でドーパミンが分泌されてから運動神経末端でアセチルコリンが放出されるまでの一連の情報伝達が適切に行われることで、手足を自在に動かしたり、立ったり座ったり、歩いたりしゃがんだりと言った、普段当たり前のように行っている一つ一つの動作を確実に行うことができているのです。

運動神経に障害が起こる症状が特徴的なパーキンソン病では、脳内でドーパミンが減少し運動機能の低下が起こります。ドーパミンの減少によって運動神経の働きが低下した状態になることでパーキンソン病が発症すると考えられています。

パーキンソン病では、脳内でのドーパミンの減少により脳の中枢の運動機能が障害されることで、手足を動かしたり、まばたきをしたり、思い通りに歩くと言った、運動に関する情報伝達がうまくできなくなり、運動神経末端でのアセチルコリンの放出もうまくできなくなってしまい、手足の震え、バランス感覚が乱れる、足がもつれる、筋肉のこわばりなど、運動機能への一連の障害が起こると考えられています。

アセチルコリンと自律神経系

自律神経系を構成する交感神経系や副交感神経系の末梢部にはニューロンを交代する神経節があり、神経節の前(節前ニューロン)と後ろ(節後ニューロン)で神経伝達の役割を担う神経伝達物質が異なります。

交感神経系
節前ニューロン:アセチルコリン

神経節

節後ニューロン:ノルアドレナリン

副交感神経系
節前ニューロン:アセチルコリン

神経節

節後ニューロン:アセチルコリン

交感神経系も副交感神経系も、節前ニューロンの伝達は全てアセチルコリンが担っており、神経節を挟んで節後ニューロンでは交感神経系はノルアドレナリンが、副交感神経系はアセチルコリンが担います。

アセチルコリンは、副交感神経系の節前節後の両方の神経伝達のを担うため、副交感神経系の働きを司る代表的な神経伝達物質であるといえます。

例外として、『汗腺』は交感神経系が支配する部位ですが、汗腺の交感神経終末の一部には、アセチルコリン受容体(ムスカリン受容体)があり、この部位(エクリン腺)の神経伝達はノルアドレナリンではなく、アセチルコリンが作用します。

アセチルコリンとノルアドレナリンの関係

アセチルコリンとノルアドレナリンは、ともに脳内で働く代表的な神経伝達物質で、自律神経系の働きと特に密接な関わりがあります。

交感神経系と副交感神経系に作用する
自律神経系の末梢部にある節後ニューロンから効果器(筋肉、心臓、血管、内蔵など)へ情報伝達を行うのが、交感神経系ではノルアドレナリン、副交感神経系ではアセチルコリンです。

交感神経系と副交感神経系は、脳の覚醒と鎮静、心体の興奮と休息、などをそれぞれ司っており、二つの神経伝達物質が自律神経系に作用する様子を簡単に表すと次のようになります。

交感神経系
(ノルアドレナリン)
副交感神経系
(アセチルコリン)
精神興奮鎮静
筋肉収縮弛緩
血圧上昇低下
呼吸速い遅い
心拍数速い遅い
消化抑制促進
疲労蓄積回復

アセチルコリンと発汗

発汗は体温調節の一端を担う、人の恒常性維持に重要な仕組みの一つです。発汗をコントロールするのは交感神経系で、通常、交感神経系の情報伝達を担うのはノルアドレナリンですが、発汗では例外的にアセチルコリンが情報伝達を担います。

汗を出す器官はエクリン腺(小汗腺)とアポクリン腺(大汗腺)という2種類の汗腺があり、アセチルコリンは汗腺に作用します。

大汗腺、小汗腺とありますが、これは発汗量の大小ではなく役割の違いです。体温調節を担う発汗を行うのは、少汗腺であるエクリン腺で、アポクリン腺(大汗腺)は性的興奮などの刺激を受け発汗する、いわゆるフェロモン器官の名残とされます。また、アポクリン腺から分泌される汗はわきがの原因となることも知られています。

体温調節を担うエクリン腺で発汗を促進するのは自律神経系のうち交感神経系で、気温の変化、味覚の刺激(辛いものなど)、情動変化(感動、緊張、動揺など)など反応してアセチルコリンが分泌され、汗腺受容体に作用して発汗します。

通常、交感神経系の末端からはノルアドレナリンが作用されていますが、エクリン腺受容体のみ例外的にアセチルコリンが作用します。一方のアポクリン腺に対しては、ノルアドレナリンが作用します。

アセチルコリン受容体(コリン作動性受容体)

アセチルコリンはアセチルコリン受容体を介して伝達されます。アセチルコリン受容体は、更に『ムスカリン受容体』と『ニコチン受容体』の2種類に大別されます。

ムスカリン受容体
ムスカリン受容体は副交感神経系の末梢や脳の中枢神経系に存在し、副交感神経系の活動を制御する受容体です。ちなみにムスカリンとは、キノコに含まれる有機化合物のことで、平たく言えばキノコの毒のことです。

ニコチン受容体
ニコチン受容体は交感神経系と副交感神経系に対して作用する受容体です。

タバコなどに含まれるニコチンは、アセチルコリンに分子構造が似ているため、タバコを吸って体内にニコチンが流入すると、ニコチン受容体を介して交感神経系や副交感神経系に刺激が伝わります。

喫煙習慣があるとニコチンが脳内でニコチン受容体に収まってしまうため、アセチルコリンの分泌が抑制されてしまいます。

アセチルコリンとタバコ

記憶と学習と認知

アセチルコリンは人の記憶や認知・学習機能を司る海馬の機能調節に関与しています。

そのため、アセチルコリンの分泌量の増減は、記憶や、認知学習機能の障害で起こるとされる、パーキンソン病やアルツハイマー病などに関わると考えられています。

パーキンソン病ではドーパミンが減少し、アセチルコリンが増加して運動神経が抑制され、パーキンソン病の特徴とも言うべき、『無動』をはじめ、様々な運動機能の障害が起こると考えられています。

アルツハイマー病はアセチルコリンの分泌量の低下によって記憶や認知機能が障害されるという、『コリン仮説』が有名です。

睡眠中の記憶整理

アセチルコリンは、レム睡眠中に特に分泌が活性化されており、睡眠中に海馬で行われる記憶の整理や定着を促進していると考えられています。

記憶や認知機能の低下が起こるアルツハイマー病は、アセチルコリンの分泌量の低下が発症原因の一つであると考えられています。また、アルツハイマー病は睡眠不足や睡眠の質の低下によって発症リスクが上昇する事も分かっています。

睡眠中のアセチルコリンの分泌によって記憶の整理や定着が促進され、アルツハイマー病の発症リスクを予防しているとも考えられます。そのため、記憶力や認知機能の低下を防ぐには、十分な睡眠時間の確保と、質の良い睡眠を心がけ、睡眠中のアセチルコリンの分泌を促進することが重要となると言えます。

アセチルコリンとセロトニン

副交感神経系から放出されるアセチルコリンと、神経伝達物質として知られるセロトニンは、共に胃や腸の働きに関与しています。

胃や腸から放出されるアセチルコリンは胃腸の消化活動を促進する作用があります。そして、腸内のセロトニンはアセチルコリンの放出量を調節する働きをしていることがわかっています。

実は、こうしたアセチルコリンやセロトニンの働きが乱れると、下痢便秘を起こしやすくなる場合があります。

アセチルコリンと腸の消化活動

胃や腸の消化活動を調節するのは自律神経系のうち『副交感神経系』です。副交感神経系はゆっくり休息してリラックスしたときや睡眠中などに活性化します。そのため、胃腸の消化活動も休息中に活性化されます。

副交感神経系の末端から放出されるアセチルコリンがムスカリン受容体(M2、M3)に結合すると、胃腸の蠕動運動(筋肉を収縮させ、便を排出しようとする運動)、つまり胃腸の平滑筋収縮が促進されます。

忙しく働きすぎて心休まる時間が少ない人や、最高のリラックスタイムである睡眠時間が少ない人は、副交感神経系が働きにくくなり、アセチルコリンによる胃腸の活動も低下して、下痢や便秘を起こしやすくなる場合があります。

セロトニンと腸の蠕動運動

セロトニンは、アセチルコリンが副交感神経系の末端から放出されるのを抑制したり、反対に促進したりと、アセチルコリンの働きを調節するかたちで、腸の蠕動運動に関与しています。

腸内のセロトニンはクロム親和細胞内に収納されており、クロム親和細胞から遊離すると腸内のセロトニン受容体に結合します。

腸内に数種類あるセロトニン受容体のうち、5-HT3受容体や5-HT4受容体にセロトニンが結合すると、副交感神経系末端からアセチルコリンの遊離が促進され、アセチルコリンが胃腸平滑筋を収縮させるのを促進し、消化活動や排便が促進されます。

下痢の原因に
「緊張しすぎてお腹が下った」という話を聞くように、ストレスなどが原因でこのセロトニンの働きが過剰になると、蠕動運動が過剰に起こり、下痢を起こしやすくなると考えられます。

特に心因性ストレスに起因する腸の蠕動運動に異常を来たす『過敏性腸症候群(IBS)』を起こす原因と目されています。

便秘を起こす原因にも
反対に、セロトニン受容体のうち5-HT1受容体にセロトニンが結合すると、副交感神経系からアセチルコリンが放出されるのが抑制され、アセチルコリンによる腸の蠕動運動や消化活動が抑制されるため、便秘を起こしやすくなると考えられています。

参考文献:日薬理誌-過敏性腸症候群治療薬の創薬研究(PDF)

アセチルコリンと関わりの深い疾患

アセチルコリンの働きは全身に及ぶため、分泌の不足や過剰が起こった場合の影響は数え知りません。中でも影響が特に大きいのが脳の働きです。アセチルコリンが関わっているとされる代表的な脳の働きに関する疾患として、パーキンソン病アルツハイマー病があります。

パーキンソン病との関わり

パーキンソン病の発症は、ドーパミンとアセチルコリンの分泌バランスが影響していると考えられます。

健康な人の場合、ドーパミンとアセチルコリンの分泌量は一定のバランスで釣り合っていますが、パーキンソン病になると、ドーパミンの分泌量が減少します。すると、相対的にアセチルコリンの分泌割合が増加したことになります。

例えると、健康なときは[ドーパミン50%:アセチルコリン50%]の分泌割合だったのに対し、パーキンソン病では[ドーパミン30%:アセチルコリン50%]のようにドーパミンの分泌割合が相対的に下がり、アセチルコリンの分泌割合が増加するようなイメージです。

運動機能の障害が起こる
ドーパミンとアセチルコリンの分泌バランスの変化が、パーキンソン病の様々な症状を起こす原因であると考えられています。例えば、パーキンソン病の特徴の一つである「無動」という状態に代表されるような、手足の震え、バランス感覚の乱れ、筋肉のこわばりなど、運動機能の一連の障害は、相対的に増加したアセチルコリンによって運動神経系が抑制された事によって起こると考えられています。

認知機能が低下することも
また、ドーパミンやアセチルコリンは認知、記憶、学習と言った脳機能にも深く関わっています。パーキンソン病を発症すると、脳内でアセチルコリンが作用するコリン神経系に障害が起こり、認知機能の低下や認知症の諸症状を発症することがあります。

アルツハイマー病との関わり

アルツハイマー病は記憶や認知機能の低下を主な症状とする『認知症』の一種で、高齢者になるほど発症割合が高くなることが知られます。アルツハイマー病の発症原因は特定されておらず、様々な仮説に基づき日々研究が行われています。

原因の一つとして有力だと考えられているのが、脳内でのアセチルコリンの分泌量の低下によって記憶や認知機能が低下するという『コリン仮説』です。

アセチルコリンは高齢者になるほど分泌量が減少している事がわかっており、高齢者がアルツハイマー病を発症する割合が高くなる原因の一つと目されているのです。

アセチルコリンが不足すると

アセチルコリンは交感神経系と副交感神経系の節前ニューロンまでの情報伝達を担う神経伝達物質であるため、アセチルコリンが不足すると自律神経系の働きそのものに影響が生じる可能性があります。

  • 内臓機能の低下
  • 腸内環境の悪化
  • 便秘や下痢
  • 血圧上昇
  • 血圧低下
  • 肩こりや腰痛
  • 体温低下
  • ストレスが溜まりやすい
  • 眠りが浅くなる
  • 日中の眠気
  • 集中力の低下
  • 記憶力や学習機能が低下
  • 運動能力の低下
  • 気分の落ち込み、無気力、やる気が出ない

※症状は一例です。個人により異なります。

アセチルコリンは、脳の記憶や認知、運動と言った、人の最も重要で根本的な機能に関与しているため、アセチルコリンが不足すれば、記憶、言語、運動、意欲など、健康的な生活を送る上で必要な様々な機能や欲求が低下してしまうことが考えられます。

アセチルコリンが不足する原因

加齢で減少
アセチルコリンは、加齢とともに減少していく物質であるため、高齢者の場合は自然とアセチルコリンが不足しやすくなります。

高齢になればなるほど認知症の発症率が増加するのも、アセチルコリン(やその他神経伝達物質)の減少が関わっていると考えられます。

喫煙習慣
過度の喫煙はアセチルコリンの分泌を慢性的に抑制します。喫煙習慣が長い人ほど、ヘビースモーカーになるほど、アセチルコリンが不足しやすくなります。

アセチルコリンとタバコ

その他の原因
本来、アセチルコリンは、高齢者でなければ健康的な生活を送っている場合は不足する可能性が少ない物質です。

ただし、不規則な生活、極端な偏食やダイエットなどによる栄養不足(コリンやレシチン不足)、ストレス、睡眠不足、喫煙、また、一部の有害な重金属の蓄積や薬物の乱用によって不足する場合があるとされています。

アセチルコリンが不足する原因は、日常の生活習慣の中に隠れています。忙しくて、生活リズムが不規則になりがちな現代人は、誰でもアセチルコリンが不足する可能性があるとも言えます。

アセチルコリンとタバコ

タバコに含まれる『ニコチン』はアセチルコリンと似た分子構造を持つ物質で、ニコチン受容体(アセチルコリン受容体の一種)と結合することができます。

タバコを吸ってニコチンを摂取すると、本来アセチルコリンが収まるべきニコチン受容体にニコチンが結合してしまい、脳はアセチルコリンが充足していると勘違いして、アセチルコリンの分泌を抑制してしまいます。

タバコを吸うとドーパミンが分泌される
ニコチンがニコチン受容体に結合すると、脳内で『ドーパミン』が分泌されます。人によってタバコを吸うと脳がスッキリしたような快感を感じたり、気分が落ち着く気がするのはドーパミンが分泌されるためです。

しかし、ニコチンがニコチン受容体に結合していられる持続時間は1時間程度で半減期を迎え、タバコを吸ってからしばらくするとニコチン受容体ではニコチン不足(アセチルコリン不足)、いわゆるニコチン切れが起こりはじめます。

ニコチン受容体に結合するニコチンが足りなくなると、ドーパミンの分泌量も減ってしまうため、脳はイライラやそわそわした気分になり、また繰り返しタバコを吸いたくなる、いわゆる『ニコチン依存症』を起こす原因となります。

ニコチン切れとはアセチルコリン不足のこと
ニコチン切れが起こったとき、直ちにアセチルコリンの分泌が増えれば問題はないのですが、タバコを吸うことで抑制されてしまったアセチルコリンの分泌は、なかなか元には戻らない場合があります。

タバコをやめてから、アセチルコリンの分泌が元に戻るまでの時間は、人によって、またタバコの喫煙頻度や期間などによって変わってくるでしょう。当然、長い期間ヘビースモーカーを続けている人のほうが戻るまでの時間もかかると思われます。

このように、ニコチン依存症になってタバコを吸い続けると、慢性的にアセチルコリンの分泌が抑制された状態が続き、ニコチン切れを起こしたときにイライラするだけでなく、本来アセチルコリンによって保たれている集中力や記憶力の低下が起こったり、気力の低下や気分の落ち込みなどにもつながることもあります。

ところで、こうしたニコチン受容体の働きを利用したチャンピックスという禁煙薬があり、私もこの薬のおかげで20年続けたタバコをやめることができました。詳しくは、お近くの呼吸器科などに相談すると良いでしょう。

アセチルコリンを増やすには

アセチルコリンを増やすためには、食事でアセチルコリンの原料を補給すること、運動で筋肉や自律神経系に刺激を与えること、学習で脳の海馬を刺激することが重要です。

食事で増やす

アセチルコリンは『コリン』や『レシチン』といった物質を材料として合成されます。そのため、食事でアセチルコリンを増やすには、コリンやレシチンを豊富に含んだ食事をすることが効果的です。レシチンは大豆や卵黄、レバー、ナッツ類、うなぎなどに豊富に含まれています。

また、こうしたアセチルコリンの材料である、コリンやレシチンなどを含むサプリも人気があります。

アセチルコリンは自律神経系の働きを支える重要な神経伝達物質であり、また、脳の記憶や学習、運動神経に働くなど、その働きは多岐に渡ります。

働きが多岐に渡るということは、その分消費が激しいため、しっかりと原材料を補給してあげないと、不足してしまう可能性もありますので、バランスのよい食事を心がけ、時にはサプリメントなども上手に活用して、アセチルコリンの原材料であるコリンやレシチンを補給しましょう。

運動で増やす

アセチルコリンは運動神経を通じて、体の末端にある骨格筋や心筋、内蔵筋などに作用するアセチルコリン受容体を持ちます。その為、運動をして筋肉に刺激を与えると、アセチルコリン受容体も活性化され、アセチルコリンの消費が増えるため、その分必要な分泌量も増加すると考えられます。

また、アセチルコリンは、自律神経系のうち、交感神経系と副交感神経系の両方で神経伝達を行う物質です。

適度な運動をすることで交感神経系が程よく興奮しアセチルコリンの分泌が促進されます。その後に休息を取ると、今度は副交感神経系が活性化して、やはりアセチルコリンの分泌が促進されます。

また、運動をすると自律神経系の働きにメリハリが生まれ、自律神経系のバランスが整いやすくなります。自律神経系が正常に働くことで、アセチルコリン受容体の感度も上がり、アセチルコリンも正常に分泌されやすい状態を作ることができます。

学習して増やす

人が歳を取るにつれて、新しいことを覚えるのが苦手になったり、物忘れが激しくなったりするのは、長年生きてきて、多くのことを見聞きし、経験した結果、新しいことを学ぶ必要性そのものが低下してしまうことによって、新しいことを記憶したり学習したりする、脳の海馬で認知・学習機能が衰えることが原因とも考えられています。

日常の中で海馬への刺激が減ってしまうと、そこで元来働いていたアセチルコリンなどの物質もリストラされてしまい、必要な分泌量が低下してしまうことが考えられます。

逆に、何歳になっても新しいことを学んだり経験したりすることで、常に海馬にも新しい刺激が伝わり、それを記憶・学習するためにアセチルコリンの分泌も活性化されます。

運動にしても学習にしても、あまり使われない機能が低下してしまうのは必然ですから、適度な運動や生涯学習などを通じて、アセチルコリンの分泌を増やすことを心がけたいですね。

生活習慣を見直す

アセチルコリンが不足してしまう原因は、暴飲暴食食、生活リズムの乱れ、日々のストレス、睡眠不足など、日常生活の中に潜んでいます。その為、アセチルコリンを増やす最も確実な方法は、生活習慣を見直して、規則正しい健康的な生活を心がけることです。

逆を言えば、生活習慣が乱れたままアセチルコリンを増やすと言う都合の良い話はまかり通らない、ということです。

アセチルコリンのサプリ

アセチルコリンが不足すると、集中力や判断力、記憶力などに影響が生じることが指摘されています。

通常、適切なバランスの食事を心がけていればアセチルコリンが不足することは少ないと考えられていますが、ダイエットや偏食などにより栄養バランスが偏ると、不足する可能性があります。また、不規則な生活や、ストレスまみれの生活も、脳内の神経伝達物質が大量に消費されて不足してしまう原因となります。

ダイエットなどをしていて、食事からアセチルコリンの原料の摂取が足りない場合や、ストレスなどで消費が激しくなってしまう場合は、サプリでアセチルコリンの原料を補給してあげることも検討する必要があります。

アセチルコリンの原料となるのはコリンレシチンDMAE、そしてビタミンB群などの様々な栄養素で、それら栄養素を含んだサプリが人気です。

レシチン(ホスファチジルコリン)
レシチンはアセチルコリンを生合成するのに必要な栄養素の一つです。リン脂質の一種で、細胞膜を構成する主要な物質でもあります。

レシチンはギリシャ語で卵黄を意味する言葉が由来担っており、水にも油にも馴染みやすい性質があります。レシチンを豊富に含むのは、大豆や卵黄などのタンパク質で、小腸で酵素の力によりコリンへと分解されます。

レシチンは細胞膜や細胞そのものを正常な状態に保ち、細胞の内と外で栄養素や老廃物が往来できるようにする働きをしています。

コリン
コリンはアセチルコリンの原料の一つです。ビタミンB群の一種で、レシチンから合成される物質でもあります。

コリンは、アセチルコリンの原料となるだけでなく、血中のコレステロール値を正常に保ち、血管を良好な状態に保つ働きもしています。コリンは、卵黄、大豆などのタンパク質に多く含まれる物質で、ビタミンB12,葉酸などと一緒に摂取すると吸収されやすいとされます。

ただし、サプリで摂取したコリンの大部分は腸内細菌によって分解されてしまうのでサプリとしての有効性は低いとされています。また、コリンは腸内で分解されるとトリメチルアミンという腐った魚のような臭いを放つ物質が発生するため、コリンを大量に摂取すると体臭が悪化してしまう可能性があります。

DMAE(ジメチルアミノエタノール)
DMAEはアセチルコリンの原料の一つで、イワシやアンチョビ、サバなど青魚に多く含まれる物質です。

これらのアセチルコリンの原材料となる栄養素のサプリは、集中力や記憶力など脳の機能を向上させる働きなどが期待され、ADDやADHDのような注意欠陥障害の症状の改善を期待して利用する人も多いようです。

セリン
牛乳やチーズなどの乳製品や大豆を原料とする食品に多く含まれるアミノ酸である『セリン』は、アセチルコリンの分泌を促進する作用があると言われる、ホスファチジルセリンという物質を合成します。

ホスファチジルセリンにはその他にも、脳の血流を改善する効果や、脳細胞の新陳代謝を活性化させる効果などがあるとされ、脳機能を正常に保つ上で重要な物質であるといえます。

photo credit: Ellie Nakazawa Model:Megumi Beautiful Comfortable Portrait Color Portrait Portrait Of A Woman (license)



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