社会人にとって理想の睡眠時間

日本人の睡眠時間は世界的に見ても少なく、忙しい社会人の睡眠時間は特に不足しがちです。睡眠時間の不足は、「生活の質(Quality of Life)」を低下させる原因となり、不足した状態が続けばうつ病や不眠症にも繋がります。忙しい社会人にとって必要な睡眠時間についてご紹介します。

社会人にとっての理想の睡眠時間

はじめに理解すべき点は、必要な睡眠時間と言うのは、人によってかなり異なるということです。1日6時間も眠れば十分という人(ショートスリーパー)もいれば、10時間眠っても足りないと感じる人(ロングスリーパー)もいます。こうした睡眠の個人差は遺伝的な要因の他に、その人のライフスタイルや年齢によっても大きく変わってきますので、普遍的な理想の睡眠時間というものは存在せず、一概に『○時間が理想の睡眠時間である』ということは言えないのです。

では、ショートスリーパーでもロングスリーパーでもない、一般的な睡眠個性を持つ人の場合は一体何時間眠れば良いのか、というと、少なくとも『平均的な睡眠時間』程度は確保する必要がありそうだと考えられます。

働き盛りの社会人(20歳~54歳)の各世代ごとの平均睡眠時間をご紹介しますので、表を参考にして、平均的な睡眠時間よりも多いか少ないかを、まずは確認してみてください。

働き盛り世代の平均睡眠時間
年齢 総合 男性 女性
20~24歳 7時間56分 7時間56分 7時間55分
25~29歳 7時間43分 7時間43分 7時間44分
30~34歳 7時間37分 7時間39分 7時間34分
35~39歳 7時間23分 7時間24分 7時間22分
40~44歳 7時間12分 7時間22分 7時間03分
45~49歳 7時間03分 7時間18分 6時間48分
50~54歳 7時間06分 7時間21分 6時間51分

より詳しいデータは『日本人の睡眠に関する統計データ』をご覧ください。

これはあくまでの平均的な睡眠時間なので、表の時間より少なくても睡眠時間が足りていないとは言い切れませんが、ひとつの判断材料として、参考にして頂ければと思います。

社会人の睡眠時間の現実

働き盛りの社会人の平均的な睡眠時間の表を見ると、ある傾向が見えてきます。それは『年齢を重ねるに連れて、平均睡眠時間も減少している』ということです。平均睡眠時間が歳を取るに連れて減少しているのは、社会人にとって必要とする睡眠時間が高齢になればなるほど少なくなる、ということを意味しているわけではありません。

年齢で減少する平均睡眠時間からは、別の社会的な問題が見えてきます。社会人としての経験値を積み、責任もあるポジションに就く年齢になればなるほど、仕事は忙しくなり、それに伴い睡眠時間も減ってしまっている、ということです。

また、働き盛りの世代は、人によっては子育ても重なる年齢でもあり、子育てと仕事の両立をしようとすることが、睡眠時間の減少を助長していることも伺えます。

20代から30代前半ぐらいまでは、平均睡眠時間もある程度確保できており、若さも相まって、体はまだ無理が利く状態かもしれません。

ところが、40代以降、睡眠時間は急速に減少し、50代に入ると7時間をギリギリ上回る程度(女性の場合は下回る)しか睡眠時間が無いことがわかります。仕事によって増えるストレスと減少する睡眠時間。これらが重なると、心身に大きな変調を来たす恐れがあります。

特に50代は男性も女性も、更年期を迎える年齢であり、睡眠不足による心身の不調と、更年期障害の発生が重なると、症状が重篤化しやすくなってしまいます。

蓄積する睡眠の負債

現代の日本では、『日本人の4割が睡眠時間6時間未満の時代に』なったと言われるほど、社会全体で睡眠不足が深刻化しています。

ご紹介した世代別の平均睡眠時間は、あなたの理想の睡眠時間を表しているわけではありませんが、平均的な睡眠時間よりも毎日の睡眠時間が大幅の不足している場合、毎日着実に『睡眠の負債』を増やしている状態である可能性があります。

睡眠の負債とは、あなたが本来必要としている睡眠時間と、実際の睡眠時間の差です。睡眠の負債を数値化することは難しいですが、睡眠の夫妻が増えれば増えるほど、睡眠不足の症状は深刻化していきますので、心身の症状として現れる様々な症状によって、事態がどれほど深刻なのかを推し量ることは出来ます。

朝起きるのが辛い、日中に激しい眠気を感じる、集中力がない、やる気が出ない、仕事のミスが増えた、イライラする、不安なことが増えた、外出が億劫に感じる、などの症状は全て睡眠負債によって引き起こされる症状の一部です。こうした症状が進行していくと、やがてうつ病や自律神経失調症、また様々な生活習慣病など重篤な疾患に繋がるリスクが増えます。

睡眠不足の悪影響

睡眠時間が圧倒的に平均時間よりも足りていない人は、行き帰りの電車の中でも、昼休みの30分間でも、最悪トイレの中でも良いので、昼寝を取るようにしましょう。

また、睡眠が足りていないと感じる場合、休日は出来るだけ寝貯めをしたいと考える人が多いのですが、休日に普段よりも多く睡眠時間を取りすぎてしまうと、体内時計が乱れる原因となるため、休日の寝貯めは、「平日の睡眠時間+2時間程度」までに抑えたほうが良いでしょう。

photo credit: code_martial Sleep FUTAB (license)



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