睡眠不足で活性酸素が増加する

人の体を錆びさせて老化現象を引き起こす活性酸素。活性酸素は人に起こる殆どの病気の源であるとも言われるほど、増えすぎると人体に有害な物質です。活性酸素が体内で増加してしまう原因の一つとして考えられるのが、睡眠不足です。

吸気から活性酸素が発生

人は呼吸をして体内に酸素を取り入れ、エネルギー源にしています。体内に入った酸素のうち約2~3%程度は活性酸素になると言われています。体内で発生した活性酸素は、人の体に自然と備わっている抗酸化作用によって自動的に無害化されて除去されているため、通常は野放図に増加してしまうことはありません。

活性酸素の増加を助長するのは睡眠不足

体内で活性酸素が増加してしまう原因は、体の持つ抗酸化作用が損なわれることにあります。抗酸化作用が損なわれる原因は「加齢」や「ストレス」です。

人の体が備え持つ抗酸化力は、年齢とともに自然と衰えていき、それに比例して体内では活性酸素が増加していき、老いとともにシミやシワが増え、内蔵や血管は弱り、生活習慣病など様々な疾患が起こって、やがては亡くなります。

加齢よって起こる活性酸素の増加は自然の摂理とも言うべき、万人が避けては通ることができない事象ですが、私達の生活習慣の中には、活性酸素の増加を助長してしまう行動が潜んでいます。

活性酸素の増加を助長してしまう行動の一つが「睡眠不足」です。

睡眠と活性酸素の関係

本来、睡眠中は日中に比べてエネルギーの消費量が低下するため、活性酸素の発生量が減少します。

加えて、睡眠中には活性酸素を除去する働きをするメラトニンSOD(スーパー・オキサイド・ディスムターゼ。活性酸素を除去する酵素のこと)などの抗酸化物質の産生が盛んになるため、日中の活動で体に溜まった活性酸素を効率的に除去することが出来るのです。

つまり、日中発生した活性酸素は、主として睡眠中に除去されていると言えます。

睡眠不足で活性酸素が増加する理由

体内で発生する活性酸素を除去している睡眠。睡眠時間が減少すると、その分、活性酸素を除去するメラトニンやSODの産生が減少するため、睡眠不足になればなるほど、活性酸素は除去しきれなくなり、体には活性酸素が溜まっていき、体が錆びて老化現象が進行しやすくなります。

また、睡眠時間が減るということは、その分覚醒している状態が長くなりますから、体の活動エネルギーや酸素消費量は増え、活性酸素の発生量も増加します。

睡眠不足で肌が荒れるというのはよく知られていますが、肌荒れも活性酸素によって肌の細胞が酸化したことによって起こる酸化現象の一つなのです。

このように、睡眠時間の減少は、「抗酸化物質の減少」と、「活性酸素の増加」という二重の酸化リスクを引き起こすのです。

活性酸素の増加による悪影響

睡眠の不足で活性酸素が増加すると、具体的に体にどのような影響があるかをご紹介します。

  • 血管の老化
  • 肌荒れ、シミやシワ増加
  • 肥満
  • 肩こり
  • 冷え性
  • 抜け毛
  • 体臭の悪化
  • 過酸化脂質の増加
  • 動脈硬化
  • 高脂血症
  • 生活習慣病
  • ガン

活性酸素が引き起こす影響の多くは、体の内側、目で見えない場所で進行します。中でも最も怖いのが血管の老化です。

血管をはじめ、人の細胞と細胞を仕切る「細胞壁」は脂質で出来ており、活性酸素はこの脂質を酸化させて過酸化脂質を作り出します。

過酸化脂質が発生すると、免疫細胞が免疫反応を起こし、その部位で炎症が起こり、そこにLDLコレステロールが吸着していき、血管を詰まらせてしまいます。

血管の詰まりは、初期には血行不良による肩こりや体の末端の冷え性などの症状を起こし、やがては動脈硬化によって様々な生活習慣病を起こす苗床になってしまうのです。

また、活性酸素によって細胞の酸化が進むと、細胞内のDNAが変質し、細胞をガン化させてしまい、ガンの発生源にもなります。こうした活性酸素によって引き起こされる血管の老化とそれに伴って起こる一連の疾患は、元を辿っていくと睡眠不足が一因になっている場合があると言えます。

加齢臭は活性酸素増加のサイン

40歳前後で発生し始める加齢臭は、ノネナールという物質がニオイの発生源とされます。この加齢臭も、元をたどると活性酸素の増加が原因で起こります。

活性酸素の増加によって、細胞内の脂質が酸化することで発生する過酸化脂質は、皮脂から分泌される不飽和脂肪酸を酸化させてしまいます。不飽和脂肪酸の一種には、加齢臭の原因になるノネナールを発生させるパルミトレイン酸という脂肪酸も含まれており、活性酸素の増加がこのパルミトレイン酸を酸化させて、ノネナールの発生に関与しているのです。

つまり、40歳前後になり加齢臭が発生しているということは、体内では大量に活性酸素が発生しているということのサインでもあり、その影では、生活習慣病へとつながる血管の老化が徐々に進行してしまっているのです。

睡眠不足で加齢臭は発生しやすくなる

「睡眠不足と加齢臭」。そこには奇妙な縁があります。

睡眠不足は活性酸素を増加させてしまいます。活性酸素の増加は加齢臭の発生へとつながるため、睡眠不足は加齢臭を発生させる原因であるとも言えるのです。40歳前後といえば、男性は会社では中間管理職で働き盛り、女性は子育てなどに忙しい年齢層で、年齢ごとの平均睡眠時間を見てもかなり少ない世代で、加齢臭の発生に拍車をかけてしまうのです。

詳しくは『睡眠不足で加齢臭が悪化する理由』をご覧ください。

メラトニンは加齢とともに減少

睡眠ホルモンであるメラトニンは、強い抗酸化力を持つ抗酸化物質でもあります。メラトニンの産生量は人が眠りにつく直前に最高潮になります。メラトニンの産生量は睡眠時間に比例しており、一般的に人の睡眠時間は加齢とともに減少していくため、メラトニンの分泌も加齢とともに減少していきます。

抗酸化物質であるメラトニンが減少することで活性酸素の増加が促進され、体は老化していきます。老化の一環で起こる加齢臭の発生は、ある意味避けては通れませんが、睡眠をしっかりと取ることは、減少しつつあるメラトニンの産生を促し、加齢臭の発生、そして体の老化を抑制することにつながります。



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