su

テアニン(Theanine)は、お茶に含まれる成分でアミノ酸の一種です。お茶を飲んでホッとした気持ちになるのは、テアニンにリラックス効果があるためだと言われています。また、テアニンには睡眠の質改善ストレスの抑制集中力増加などの効果もあると言われています。

お茶によるテアニンの合成

テアニンは、お茶の木の根で合成され、茎を伝って茶葉へと移動します。しかし、茶葉が日光を浴びると光合成によりカテキンへと変化してしまいます。そのため、一般的な「煎茶」や「番茶」よりも、「玉露」や「かぶせ茶」、「てん茶」と言った日光を遮って栽培する、いわゆる「おおい茶」に分類される茶葉のほうがテアニンを多く含んでいます。

また、「抹茶」はてん茶を臼で引いて作られるため、抹茶にもテアニンが豊富です。

お茶の種類別テアニン含有量
番茶:3mg
煎茶:10mg
玉露:34mg
抹茶:36mg
※湯呑み一杯当り(約80ml)
数値引用:太陽化学株式会社「テアニンって何?

テアニンの効果や働き

テアニンに期待される主な効果は、リラックス効果です。リラックス効果により交感神経系の抑制、睡眠の質改善、学習効果など、様々な副次的な効果が発生します。

リラックス効果
テアニンを飲んでからしばらくすると、脳内でリラックスしたときに現れるアルファ波が増加します。

アルファ波は脳のリラックス状態を高めるだけでなく、ひらめき力集中力も高め、仕事や学習の効率を向上させてくれることから、テアニンを摂取すると企画力や発明、学力の向上に効果があるといえます。

参考:NCBI The deployment of intersensory selective attention: a high-density electrical mapping study of the effects of theanine.

交感神経系の働きを抑制する
テアニンによるリラックス効果は、高ぶりがちな交感神経系を抑制してくれます。交感神経系が抑制されると、心拍数が低下し、血管が拡張するため、血行不良が改善され、冷え性の改善や、高血圧の改善などに役立ちます。

また、交感神経系の働きを抑制すると、ストレスなどで乱れがちな自律神経系のバランスが整い、セロトニンドーパミンなど、脳内で働く神経伝達物質の働きを正常化させる作用が期待できます。

参考:NCBI Time for tea: mood, blood pressure and cognitive performance effects of caffeine and theanine administered alone and together.

睡眠の質改善
テアニンのリラックス効果は、交感神経系の働きを抑制する作用があることから、副交感神経系を優位にし、寝付きを良くしたり、眠りを深くするなど、睡眠の質を改善する効果が期待できます。

睡眠前にテアニンを摂取すると、交感神経系が抑制され、眠り安くなるとされており、テアニンのサプリメントなどは睡眠サプリとして人気があります。

ただし、お茶を飲んでテアニンを摂取する場合、お茶に含まれるカフェインによって脳が覚醒してしまうため、睡眠を妨げる可能性があるため、安眠目的でお茶からテアニンを摂取しようとするのは避けたほうが良いでしょう。

ストレスの抑制
テアニンのリラックス効果には交感神経系の過度の興奮を抑制する働きがあるため、ストレスによって起こる、イライラや憂うつ、怒り、悲しみ、恐怖、逃避、激昂など、様々なストレス反応を抑制する働きがあります。

参考:NCBI L-Theanine reduces psychological and physiological stress responses.

PMSや更年期障害の改善
テアニンによるストレスの抑制効果は、特に女性の場合は、生理周期で発生するPMSの症状を改善したり、閉経により起こる更年期障害の症状を改善する作用が期待できます。

テアニンの摂取方法

テアニンはお茶に含まれる独自成分であるため、お茶から摂取するのが最も一般的です。特に玉露や抹茶など、高級なお茶ほどテアニンは豊富に含まれています。

ただし、お茶を飲むと、同時に脳を覚醒させる作用を持つカフェインも大量に摂取してしまうため、テアニンのリラックス効果や快眠効果だけを求めている場合は、テアニンのサプリメントを利用すると良いでしょう。

photo credit: Kanko* mornig green tea (license)