脂肪燃焼効果や美肌効果など、様々な効果を持ち、ダイエットや肌のケア、アンチエイジングには欠かせない、『成長ホルモン』の分泌。そんな、成長ホルモンを効率良く分泌させるための5つ条件をご紹介します。

深い睡眠、ただし昼寝は効果減

深い睡眠に入ると、副交感神経系の働きが強まり、成長ホルモンが分泌されます。眠りの深さは4段階ほどのステージで分別されますが、成長ホルモンを分泌させるには、「最も深い睡眠」というのが重要です。最も深い睡眠は、体内時計と同調して働く睡眠ホルモン『メラトニン』が分泌されているときでないと発生しません。

そのため、昼間の昼寝で熟睡したと思っても、昼間にはメラトニンは分泌されにくいため、最も深い眠りに到達することは少なく、成長ホルモンの分泌は効果的とはいえません。夜のメラトニンの分泌量が増加した時に眠ることで、深い眠りを得て、成長ホルモンの分泌量も最大化されるのです。

尚、長時間昼寝をすると、夜の眠りが浅くなって、トータルでの成長ホルモンの分泌を減少させる恐れがあり、長時間の昼寝には注意が必要です。

詳しくは、 『長時間の昼寝には危険性も』 をご覧ください。

食事でアミノ酸を摂取する

アミノ酸は成長ホルモンの材料になる物質で、肉や魚、豆類、乳製品などのタンパク質に含まれています。様々な種類のタンパク質ををバランスよく摂取することで、成長ホルモンが分泌されやすくなります。アミノ酸の中でも、オルニチンアルギニンが成長ホルモンの分泌促進に特に有効とされています。

血糖値が低下したとき

長時間の絶食や糖尿病治療薬(インスリン)などにより、血糖値が下がリすぎると、低血糖状態になります。人の脳の活動エネルギーはブドウ糖なので、低血糖状態は脳の活動レベルを下げ、様々な精神症状を起こすことがあり、危険な状態であると言えます。血糖値が一定値以下(60-65mg/dL以下)になると、低血糖の進行するのを防ぐため、成長ホルモンが分泌されて血糖値を上げるよう作用します。

インスリンや成長ホルモンの特性を利用した、低インスリンダイエットというのが一時期注目されましたが、低血糖状態を故意に作り出すことは、医師など、専門家の管理下であれば問題ありませんが、素人が安易に行うと、意識レベルの低下や低血糖症の発症などの危険がありますので、注意が必要です。

空腹時

空腹になると胃からグレリンというペプチドホルモンが分泌されます。グレリンは、脳下垂体を刺激して成長ホルモンの分泌を促進します。このことから、成長ホルモンを効果的に分泌させるには、毎回の食事の前に適度の空腹を感じられるよう、一定の食事間隔を保ちましょう。また、健康面も考慮して「腹八分目程度」の量で食べるのが良いでしょう。
※食べ過ぎて血糖値が急上昇すると、インスリンが大量に分泌されて太りやすくなったり、糖尿病のリスクが増えるため。

運動や肉体労働の後

運動や肉体労働により筋肉や体組織が疲弊すると、そのストレス反応として様々なホルモンが分泌されます。成長ホルモンも筋肉や体組織を再生・修復するために分泌されます。なお、ジョギングなどの有酸素運動よりも、筋トレのような、筋肉に強い負荷がかかりやすい無酸素運動のほうが成長ホルモンを分泌しやすいとされます。

余談ですが、運動後に成長ホルモンが分泌する仕組みは、スポーツジムの指導やウエイトレーニングにも利用されることがあります。ダイエット目的で運動をする場合、最初に比較的負荷の高い無酸素運動(筋トレなど)を行って、脂肪の分解作用を持つ成長ホルモンの分泌を促し、その後にジョギングやエアロバイクなどの有酸素運動をすると、脂肪の消費効果が高まってダイエット効果が増す、というものです。

★次のページでは『成長ホルモンを増やす3つのポイント』をご紹介します。

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