血液脳関門(けつえきのうかんもん,blood brain barrier,BBB)とは、脳や脊髄などの中枢神経系と血液との間でホルモン神経伝達物質などの往来を制限する仕組みのことです。
血液脳関門は毛細血管内の細胞が密接に結合することで物理的な障壁となり、脳内に異物が混入するのを防いでいます。

血液脳関門の役割

血液脳関門の役割は、脳と脳の組織を有害な物質から守り、脳の機能を常に最適に保つ文字通り関門であり一種のバリア機能で、人の恒常性を維持する上で非常に重要な役割を果たしています。

このバリア機能は中枢神経系内のいくつかの部位に分かれていることが確認されており、現在知られているのは血液と髄液との間にある血液髄液関門と血液脳関門の二つです。

血液脳関門を通過出来るのは、アミノ酸・糖・カフェイン・ニコチン・アルコールなど一部の物質だけで基本的にそれ以外は脳内に進入することありません。
血液脳関門は、脳が必要とする栄養素や物質を選択的に通過させます。 この血液脳関門の機能に異常が生じると、多発性硬化症やてんかん、アルツハイマー病やパーキンソン病など様々な疾病を引き起こす可能性があります。