IGF-1(別名:ソマトメジンC)とは、成長ホルモンによって肝臓などから分泌が促進されるインスリンに類似した働きを持つ成長因子です。実は、成長ホルモンによる体の成長、細胞の修復や再生と言った作用の一部は、IGF-1によっても担われており、成長ホルモンとIGF-1は、共に細胞を分化させたり修復・再生させたりしているのです。

成長ホルモンとの違い

IGF-1と成長ホルモンの違いは、IGF-1は成長ホルモンよりも、体の成長や再生に特化した働きをしているという点です。

成長ホルモンは、体の成長以外にも代謝の促進や血糖値を維持するなど、多岐にわたる働きをしていますが、IGF-1にはそういった作用はありません。

IGF-1の分泌量は成長ホルモンに依存しており、思春期に分泌量が急増し、成人後は加齢と共に分泌量が減少していきます。また、成長ホルモン同様に、睡眠不足や不規則な生活によって分泌量が減少します。

IGF-1の効果

IGF-1の働きの多くは、成長ホルモンの働きに準じたものですが、IGF-1独自の働きは思春期の子どもの骨の成長を促進することで、身長を伸ばすことです。IGF-1は細胞の分化や増殖を促す作用を持ち、大量に分泌されることで軟骨や骨の末端(骨端線)の細胞を増やし、骨を伸ばしていきます。

男女別のIGF-1の分泌量は、一般的に女子のほうが思春期の訪れが早いため、女子のほうが男子よりも早く分泌のピークに達し、その分、体の成長や性成熟も早くなります。

IGF-1は、成人後も体組織の修復などのために分泌され続けますが、分泌量は思春期をピークに減少していき、その後は骨を伸ばすほどの分泌量に達することは少なく、多くの場合は成長期後には身長の伸びは止まります。

IGF-1を増やすには

IGF-1は成長ホルモンに依存して分泌されるホルモンです。つまり、IGF-1の分泌量と成長ホルモンの分泌量は比例しており、IGF-1を増やすには、成長ホルモンの分泌を増やすことが重要となります。

詳しくは『成長ホルモンの分泌を増やすには』をご覧ください。

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