腸内フローラの改善に有効な短鎖脂肪酸

短鎖脂肪酸とは、人の腸内に生息する腸内細菌が代謝する物質の一種です。酢酸(さくさん)、プロピオン酸、酪酸(らくさん)の3種が代表的な人の腸内にいる腸内細菌によって作られる短鎖脂肪酸で、体の様々な部位に影響を与える物質として注目されています。

短鎖脂肪酸とは

短鎖脂肪酸は、脂肪酸のうち、「炭素の数が6個以下」と少ない数で結合したものを言い、人の体内では腸内細菌のうち食物繊維などをエサとする善玉菌によって代謝されています。

腸内フローラの改善
短鎖脂肪酸には、腸壁の粘膜を守り、腸壁の炎症を防ぐ作用、腸内を弱酸性に保ち、悪玉菌の増殖を抑制する作用、また悪玉菌抑制よって腸内フローラを改善する作用などがあります。また、肝臓や腎臓などの臓器や筋肉のエネルギー源としても利用される貴重な物質でもあります。

基礎代謝を増やす
人の体内には短鎖脂肪酸の受容体があり、血中の短鎖脂肪酸と結びつき、血圧を維持して体温を高め、交感神経系の働きを高めて、体の基礎代謝量を増やす働きをすることがわかりました。

脂肪の蓄積を抑制する
短鎖脂肪酸が脂肪細胞内に取り込まれると、脂肪細胞内への脂肪の蓄積を抑制する働きを持つことも明らかになりました。

このことから、短鎖脂肪酸には体の基礎代謝量の増加と、脂肪の蓄積を抑制する働きによって、肥満を抑制する作用があると考えられています。

脂肪酸とは

そもそも脂肪酸とは、有機酸が複数個結合した状態の物質のことで『脂質』の一種です。結合した炭素の数に応じて、長鎖脂肪酸、中鎖脂肪酸、短鎖脂肪酸にそれぞれ分類されます。また、不飽和度により飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分類されます。

脂肪酸は体内の細胞のエネルギー源として利用され、また、ホルモンなどの構成材料となる物質で生命を維持する上で欠かせない物質です。脂肪酸には様々な種類があるが、人間が体内で合成出来ないいくつかの脂肪酸には、病気の予防や健康維持に高い効果があると考えられていることから、必須脂肪酸と呼ばれ特に重要視される。(例:オメガ6脂肪酸やDHAなど)

短鎖脂肪酸の効果や特徴

短鎖脂肪酸の効果や特徴について箇条書きにします。

  • 腸内フローラの改善
  • 腸を弱酸性に保つ
  • 免疫の強化
  • 活性酸素の除去
  • 血管の保護
  • 病気の予防
  • 腸疾患予防
  • アレルギー緩和
  • 代謝量の増加
  • 脂肪が蓄積するのを防ぐ
  • 体内では腸内細菌が炭水化物や食物繊維を発酵させることで代謝される
  • 中・長鎖脂肪酸に比べて結合している炭素の数が少ないので、分解されやすくエネルギーに利用されやすい
  • 腸上皮細胞や臓器、筋肉のエネルギー源になる
  • 腸上皮細胞の粘膜を守る
  • 大腸でのミネラル(カルシウム、マグネシウム、ナトリウム)の吸収を促進する
  • ぜん動運動を促進する
  • 交感神経を刺激して体温を上昇させる
  • 基礎代謝量を増加させる
  • 肥満を抑制する

短鎖脂肪酸と腸内フローラ

短鎖脂肪酸が腸内フローラに与える影響などについて考えてみたいと思います。

短鎖脂肪酸は、元々腸内に生息している腸内細菌のうち、乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌が、食物繊維や炭水化物などを発酵させることで合成される物質です。短鎖脂肪酸は弱酸性の性質を持つため、短鎖脂肪酸が腸内に合成されると、腸内のpH値は弱酸性に傾きます。

腸内細菌のうち、善玉菌は酸性の環境を好み、悪玉菌は主にアルカリ性の環境を好みます。腸内のpH値を弱酸性にするということは、善玉菌が生息しやすく、悪玉菌が生息しにくい環境になるため、善玉菌優位の腸内フローラを形成しやすくなるのです。

また、短鎖脂肪酸は、腸壁から栄養や水分を吸収する腸管上皮細胞のエネルギー源となることで、上皮細胞が増殖するのを促進する働きを持ちます。上皮細胞は、腸壁を有害な細菌などから守り、腸管の免疫機能を正常に保つ粘膜バリアを形成する役割を持つ細胞でもあるため、短鎖脂肪酸は上皮細胞の増殖を促進することで、腸の免疫力の強化にも一役買っているといえます。

短鎖脂肪酸を増やすには

さて、人体に様々な有益な働きをしてくれる短鎖脂肪酸ですが、どのように増やせば良いでしょう。考えられる方法として食事で短鎖脂肪酸を供給すること、食事で短鎖脂肪酸の材料を補給すること、また、短鎖脂肪酸は腸内細菌が作り出す物質なので、短鎖脂肪酸を作り出す腸内細菌を増やすこと、などが挙げられます。

食事で短鎖脂肪酸を増やす

一般的な食品で短鎖脂肪酸を含むのは『お酢』と、牛乳やバターに代表される『乳製品』などです。ただ、これらの食品などに含まれる脂肪酸のうち、短鎖脂肪酸は極わずかしか無いため、一般的な食品から短鎖脂肪酸をたくさん供給しようというのは難しいようです。

一般的な食品で補給するのが難しい短鎖脂肪酸を効率的に摂取できるのが、『サプリメント』です。ビタミンやミネラルなどに代表されるサプリメントには、必要な成分だけを凝縮して補給できるという利点があります。

短鎖脂肪酸も普通の食事からは中々補給が難しいですが、成分を凝縮したサプリメントであれば効率よく体内に摂取することができ、腸内フローラの改善や免疫機能の強化など、様々な有益な効果を期待できるのです。

短鎖脂肪酸は、体内では腸内細菌が代謝する物質で、最近話題の言葉で言うと『乳酸菌生産物質』の一種ですので、乳酸菌生産物質のサプリメントが有効です。

腸内フローラを改善して短鎖脂肪酸を増やす

短鎖脂肪酸は、腸内細菌のなかでも、食物繊維を発酵させるビフィズス菌乳酸菌など、いわゆる善玉菌によって作り出される物質です。従って、腸内の善玉菌の数を増やすことが、短鎖脂肪酸の生産者を増やすことに繋がるのです。

腸内の善玉菌を増やすには、腸内フローラを改善することが重要です。腸内フローラは、善玉菌、悪玉菌の2大勢力がしのぎを削りあっており、一般的に善玉菌が優勢なら「良い腸内フローラ」、悪玉菌が優勢だと「悪い腸内フローラ」であるといえます。

良い腸内フローラを作るには、善玉菌が住みやすく、悪玉菌が住みにくい環境を作り上げる必要があります。

善玉菌は食物繊維をエサとして増殖する細菌ですから、食物繊維を食事で豊富に摂取すると、善玉菌が増えやすくなります。また、善玉菌と相性の良い、発酵食品や納豆なども腸内フローラを改善してくれます。

悪玉菌は肉や魚などに含まれるタンパク質が好物で、タンパク質を腐敗させて増殖します。そのため、悪玉菌が増えないようにするには、タンパク質の食べ過ぎを防ぐ必要があります。

短鎖脂肪酸が健康の好循環に寄与

短鎖脂肪酸は良好な腸内フローラを構築する上で欠かせない物質であり、また、良好な腸内フローラは短鎖脂肪酸を作り出す善玉菌を増やす土壌にもなるのです。短鎖脂肪酸は腸内環境と体の健康の好循環を作り出す、とても重要な物質であるといえるのです。

photo credit: hz536n/George Thomas Bokeh Swingset Chains (license)



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