鉄分は多くの食材に広く含まれる栄養素であり、食事で摂取するのが一般的です。鉄分豊富な食材を取り入れたメニューで、鉄分不足を解消しましょう。また、無理なダイエットは鉄分を増やす上ではご法度。ヘム鉄を含む肉や魚を食べると鉄分を効率的に鉄分を増やすことが出来ます。
ヘム鉄と非ヘム鉄
鉄分には動物性食品に多く含まれるヘム鉄と、植物性食品に多く含まれる、非ヘム鉄の2種類があります。それぞれの特性も理解することで、より効率的に鉄分を吸収出来るようにしましょう。
▼ヘム鉄
動物性食品に含まれるヘム鉄は、元々肉や魚のミオグロビンやヘモグロビンに由来するため、非ヘム鉄よりも2・3倍吸収率が良いとされています。
▼非ヘム鉄
植物性食品に多い非ヘム鉄は吸収率が低いことが難点ですが、ビタミンCや動物性タンパク質を一緒に取ると吸収率をアップさせることが出来ます。レモンなどのビタミンCを豊富に含む果物やジュースと一緒に鉄分を摂取すると、吸収率が上がると言われています。
鉄分が豊富に含まれる食品
鉄分は豚・鶏・牛のレバー(豚や鶏のレバー)や赤身肉に豊富に含まれています。その他にも、一般的な食材ではひじきやほうれん草、煮干しや青のりなどに豊富に含まれます。
- ・肉類
- 豚肉(レバー) 13.0
鶏肉(レバー) 9.0
たまご(卵黄) 6.0 - ・魚類
- 煮干し 18.0
かつおぶし 5.5
いわし(丸干) 4.4
めざし 2.6 - ・魚介類
- あさりの佃煮 18.8
干しえび 15.1
しじみ 5.3 - ・海藻
- あおのり(乾) 74.8
ひじき(乾) 55.0
焼きのり 11.4
カットわかめ(乾) 6.1
塩昆布 4.2 - 豆類
- だいず(乾) 9.4
きな粉 9.2
そら豆(フライ) 7.5 - その他
- きくらげ(乾) 35.2
ごま 9.9
ドライフルーツ
※食品100g中の鉄分の含有量
無理なダイエットをしない
鉄分を増やすためには、無理なダイエットや食事制限をしないことも重要です。特にダイエットをすることが多い女性の場合、元々月経による出血で鉄分が不足しやすく、そこにダイエットが重なると、鉄分不足が深刻化しやすくなります。
また、鉄分が不足すると、体内の酸素不足が起こり、基礎代謝量が下がって脂肪を溜め込みやすくなるなど、鉄分不足はダイエットにとっても逆効果です。
肉や魚を積極的に食べる
冒頭で紹介した、鉄分の種類であるヘム鉄と非ヘム鉄。ヘム鉄は、非ヘム鉄に比べて体内への吸収率が2~3倍あると言われており、同量の鉄分ならヘム鉄より非ヘム鉄、つまり肉や魚を食べたほうが鉄分を増やす効果が期待できるのです。
また、非ヘム鉄は、食事で一緒に食べる栄養素によって、吸収率が下がるなどの影響を受けやすいのに対し、吸収率の良いヘム鉄は、他の食材による影響を受けにくく、この点からも肉や魚が鉄分をより増やす効果があるといえます。
★次のページでは『血液検査でも見逃されやすい『隠れ鉄不足』とは』をご紹介します。
photo credit :JD Hancock