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食事で体内に入った栄養素によって髪の毛は作られますので、食生活は抜け毛に密接な関わりがあります。つまり、食生活を改善することで、抜け毛の症状も改善することが期待出来ます。

5大栄養素と抜け毛

食物の栄養素は、たんぱく質、脂肪、炭水化物、ビタミン、ミネラルからなる5つの栄養素に大別されます。食事で得る栄養素ごとに、抜け毛との関わりをご紹介します。

たんぱく質と抜け毛

髪の毛を構成する主成分はたんぱく質の一種であるケラチンです。食事によって体内に入ったたんぱく質はアミノ酸に分解され、末端神経でケラチンとして再構成されます。肉や魚、豆類にはたんぱく質が豊富に含まれていますが、こうした食材の摂取が不足すると、抜け毛が多くなる原因となります。

ビタミンと抜け毛

ビタミンとは、体内で補酵素として働く物質で、人の健康を根底で支えている物質です。髪の毛の合成に必要な、アミノ酸の合成も、ビタミンによって補助されます。ビタミンが不足すると、皮膚や細胞を健康に保つことが出来ず、抜け毛が増えてしてしまう原因となります。

ミネラルと抜け毛

ミネラルは頭皮や皮膚を健康に保つ上で欠かせない栄養素の一つです。中でも、細胞の新陳代謝に欠かせない亜鉛や酸素を体内で運搬する鉄分の不足は、抜け毛の原因となります。

脂肪と抜け毛

脂肪の摂り過ぎは肥満に繋がります。肥満はAGAの原因のひとつとして数えられますので、脂肪分の摂り過ぎは抜け毛を促進する恐れがあります。では脂肪は抜け毛の予防には不要かというと、そうでもありません。脂肪には動物性、植物性といった種類があり、中でも青魚に含まれることで有名なDHAやEPAといった『オメガ3脂肪酸』という種類の脂肪は、頭皮の健康に欠かせない脂肪です。

炭水化物と抜け毛

炭水化物から体内で分解されるブドウ糖は、脳にとっては唯一の栄養源で、体を動かすためのエネルギー源としても消費されます。炭水化物が不足すると、体内にブドウ糖が不足しますから、肝臓や筋肉細胞に蓄えられたたんぱく質を使い、『糖新生』という化学反応によってブドウ糖に変換し、それを脳や体のエネルギーとして使用します。この糖新生の仕組みがあるおかげで、生命を維持する上では、炭水化物の摂取は少なくても構わないのですが、毛髪の事になると少し事情が変わります。日常的に炭水化物が不足して、糖新生が起こるような状態になると、食事で摂取したたんぱく質は、重要な体組織の維持に使用されて、末端組織である皮膚や爪、毛髪などに必要な栄養素は不足してしまい、これが抜け毛が増える原因となります。

水分と抜け毛

人の体のおよそ60%は水分で構成されていると言われます。体内の水分量が下がると、血液がドロドロとして血流が悪くなり、血行不良によって、毛髪に必要な栄養素の供給が滞り、抜け毛が増える原因となります。

抜け毛が増える食事とは

以下のような食べ物は、たまに食べる分には影響はありませんが、日常の食生活に浸透して常態化すると、抜け毛を増やす可能性がありますので、注意が必要です。

塩分の高い食事
塩分は血圧を上昇させ、長期的には動脈硬化のリスクを高めることが分かっており、血管年齢を老化させます。血管が老化すると、頭皮への血流が減り、抜け毛に繋がる可能性があります。

脂っこい食事
男性が好きな、脂っこく高脂肪の食事は、塩分と同じく血圧を上昇させる可能性があるほか、脂肪分が毛穴を詰まらせて、頭皮の血行不良を助長して抜け毛を増やす恐れがあります。

辛い食べ物
カレーや韓国料理のようにスパイスの効いた辛い食べ物を食べると、発汗作用により、頭皮が汗をかき、同時に皮脂も増えることから、皮脂が毛穴を詰まらせて、抜け毛を促進する可能性があります。

こうして見てみると、抜け毛を増やす食事は、男性が好き好んで食べる食事と合致していることがよく分かります。日常の食生活が、いかに抜け毛のリスクを高めているか、今一度確認する必要があります。

本当に抜け毛を防ぐ食生活とは

ここまで読まれて、気づかれる方も多いと思いますが、実は、抜け毛の原因となる食生活には、人体に必要な5大栄養素(たんぱく質、脂肪、炭水化物、ビタミン、ミネラル)がすべて関わっているのです。従って、食生活による抜け毛を防ぐために最も重要なことは、『栄養バランスの取れた食事をすること』というのが私の見解です。

つまり、よく言われる「髪の毛に良い食事は○○○」、「このサプリで抜け毛が止まる」と言うのは、この5大栄養素のバランスの取れた食事ができていることが前提であり、いずれかの栄養素を欠けば、栄養バランスが崩れてかえって逆効果となり、抜け毛が増える可能性さえあるのです。また、水分は栄養素ではありませんが、酸素や栄養素を毛髪に運ぶ上で、体の水分量が重要ですので、水はこまめに補給すると良いでしょう。

今回ご紹介した食生活と抜け毛の関係は、一見当たり前のようなことですが、実は現代の日本人の食生活はかなり乱れています。実際に実践しようとすると、バランス良い食事って意外と難しいことに気づくはずです。育毛剤や、頭皮マッサージをしても抜け毛が減らない人は、是非食生活を一から見直してみてください。

食生活と抜け毛予防のまとめ

  • たんぱく質不足は抜け毛の元。たんぱく質はしっかり摂取する。
  • 野菜や果物に多いビタミンも不足すると抜け毛の原因となる。色の濃い野菜や果物が良い。
  • 毛根などの細胞を増やすには亜鉛や鉄分などのミネラルが欠かせない。サプリなども上手に使って補うこと。
  • 脂肪の摂り過ぎは抜け毛の原因になるが、全く不要なわけではなく、DHAやEPAなど良質な脂肪は積極的に摂取することで抜け毛予防の効果あり。
  • 炭水化物が不足すると糖新生が起こり、毛髪などの末端細胞では栄養素が不足する可能性もある。低炭水化物ダイエットなどで、抜け毛が増える可能性も。
  • 男性が好む、「味が濃い」「脂っこい」「辛い」料理は抜け毛の大敵です。

photo credit: When Your Hair Stands On End. (license)