正月休みも終わり、皆さん仕事や学校も始まっていると思います。
今回の年末年始は長く休みを取れた人も多かったのではないでしょうか。 アベノミクスによる景気の上向きを裏付けるように、年末年始の海外旅行者数も前年比5%増となったそうです。
海外旅行といえば、時差ボケ。
海外にいかない人でも、長い休みの間に、「遅寝遅起きの寝正月」をして、生活のリズムがすっかり崩れた人も多いのではないでしょうか。
*2014年の記事です。

そんな中、いざ仕事始め。ところが、何だか頭が働かない、日中眠い・・・。
それは、正月休み中の海外旅行等による時差ボケなど、普段と違う生活リズムから急に元の生活に戻ったせいで、寝不足になっているのかもしれません。

人間は朝起きて夜眠る生活をする生き物です。
通常、時差ボケなどにより一時的に生活リズムが狂っても、体内時計の働きにより自動的に修正されるため、時間が経てば元の生活リズムに戻ります。

ところが、生活リズムを整えてくれる「体内時計」自体が何らかの原因で働かなくなると、とても困った事になります。

我々現代の日本人は、世界的にも睡眠時間が少ないことで知られており、日本人の平均睡眠時間は、先進国の中でも軒並み最低レベルだそうです。

もともと睡眠時間が少ない我々日本人は、睡眠の質に不満を持っている人も多く、睡眠自体に問題を抱えている人が多いのです。

そんな中、正月休みのような長期の休みを契機に、一気に生活リズムが狂ってしまうと、本来は自動的に体内時計が調整してくれるところで、体内時計が働かなくなり、睡眠障害に陥ってしまうことがあるのです。

特に冬季は一年の中でも日照時間が少なく、生活リズムを整える自律神経を刺激する「太陽光」を浴びれる機会が少なく、日中の活動を支える交感神経系を円滑にするセロトニンの分泌にも影響が出やすく、生活リズムを崩しやすい時期です。

日照時間が短いことで発症するとされる、冬季うつ病という疾病もあります。

生活リズムの崩れは、睡眠障害全般への入口であり、うつ病を始めとした精神疾病や、自律神経失調症や生活習慣病などを始め、様々な病気に繋がる恐れがあります。

生活リズムの乱れを直すためのコツ

1.朝はできるだけ同じ時間に起きる
生活リズムが崩れると、普段寝ていた時間に眠れずに、夜更かしになりがちで、その結果朝起きる時間も遅くなりがちです。
生活リズムを直すには、眠る時間に気をつけるよりも、朝起きる時間に注意しましょう。
普段よりも睡眠時間が短くなったとしても、できるだけ普段と同じ時間に起きるようにしましょう。

1.朝はカーテンを明けて太陽の光を浴びる
朝起きたら、カーテンを開けるなどして、できるだけ太陽の光を浴びるようにしましょう。
太陽の光(またはそのような強い光)を浴びることで、交感神経系が刺激され、脳内物質セロトニンが活性化されます。

2.眠る前に適度な運動をする
運動をすることで、適度の疲労感を得ると同時に、ストレスの解消にもつながります。
特に、リズム運動と言われる運動(ウォーキング、ランニング、スクワットなど)はセロトニンの活性化にも効果が高いとされています。
ただし、過度の運動や就寝直前の運動は逆効果になることがあるので注意しましょう。

3.体温の調整
冬場の体温調節はむずかしいですが、体温の調節は体内時計の調節にも直結するので重要です。

人の通常の体温36度~36.5度程度で、朝目覚める直前が最も低く、日中の活動中は高くなります。
眠る前にお風呂に入る人が多いと思いますが、眠る直前にお風呂に入ると交感神経系が刺激されて寝付けなくなってしまうので、眠る2時間前ぐらいまでに入浴を済ませるようにしましょう。
また、熱すぎるお湯も交感神経系を刺激するので、「ぬるま湯にゆっくり」が良いです。

睡眠中は暖房の掛け過ぎなどに注意し、布団の中の温度を33度程度、湿度を50~60%程度に保つのが最適とされています。

4.音や光に気をつける
睡眠前の激しい音や光などの刺激は避けるようにしましょう。
ロックなど激しい音楽よりも、優しいジャズやクラシックで心を落ち着かせます。
音楽を聞いて心が落ち着くと、α波(アルファ波)が現れセロトニン神経が活性化ます。 (この点は個人の好みがあるかと思います。)
また、スマートフォンやテレビ、パソコン、コンビニなどの強い光は、目から脳に伝わり、睡眠ホルモン「メラトニン」の分泌を阻害しますので、眠る時間の数時間前から、部屋を薄暗くし、スマートフォンなどの使用はできるだけ控えましょう。